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東京を一気に埋める桜かな

小山正見

東京の開花は3月19日だった。それから10日ほど、今や桜は満開である。
東京の桜の名所は至る所にある。上野公園はもちろん、千鳥ヶ淵の桜も見事だ。目黒川の夜桜は幻想的とも思える。
しかし、いかんせん人が多すぎる。ござを敷いての花見など叶うべくもなく、立ち止まることすら難しい場所もあ。
昔、日本の桜は山桜だった。種類も多く、咲く期間も幅があったが、それを劇的に変えたのがソメイヨシノである。染井村(現北区駒込周辺)で作られたというこの品種は接ぎ木や挿し木によって増える。つまり、皆同じ一つの命なのである。
ソメイヨシノは日本人の桜のイメージにぴったりだった。その上、安価で増やしやすく、成長も早いことが普及を後押しした。
すべての木が同じ遺伝子を持つことが、一斉に咲き一斉に散るという美しさの演出に繋がっている。
昨年は開花が遅れ、桜祭りの予定が狂う地域が続出したが、今年は大丈夫だろう。
名所の桜も良いが、小さな公園に一本だけ咲く桜も風情がある。
明日から4月。もうしばらくは、桜を楽しみたい。

都政新報3/31付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」26