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俳人

俳句フォトエッセイ

いわし鯖ひつじまでゐて秋の雲

今年の9月は雨ばかりだった。統計によれば、東京では平年の3倍近い雨が降ったという。秋といえば「天高し」の季節である。夏の湿った空気が去り、秋晴れの透き通る空の美しさが際立つ季節である。雲の形も夏とは違う。夏の雲の代表は入道雲だが、秋には鰯雲や鯖雲や、一つ一つの塊が大きく見える羊雲などのうろこ状の雲が現れる。うろこ状の雲の並びには、雲の上下の温度差によって起こる小さな対流が関わっているという。俳人の森澄雄はこうした秋の雲について《生涯にいくたびか全天鰯雲》と詠んだ。また加藤楸邨は、《鰯雲人に告ぐべきことならず》の句を残している。いずれも人生や生き方について考えさせられる俳句である。

俳句フォトエッセイ

秋の声聞きつつ感泣亭句会

16日(水)は、久しぶりの感泣亭句会である。今年になって初めてだ。春夏秋冬、3ヶ月に一回ずつ行ってきたのだが、どういうわけか今年は予定が重なってしまったのだ。会場は、写真のスペース感泣亭であるが、このスペースができる前から感泣亭句会は出発している。父の書斎を会場にしたときもあるし、田園調布の喫茶店で行ったこともある。始まりは、恐らく2010年だった。ぼくが学校を退職した年だ。勤務が週4回になり、水曜日が休日になったことから会を第3水曜日に設定したのだ。当時、俳誌「梓」の編集長だった俳人の高橋博夫さんに毎回参加していただき、ご指導いただいた。

俳句フォトエッセイ

楸邨の思ひたゆたふ春の雨

楸邨とは、俳人の加藤楸邨のことである。30代だったと思う。ぼくは楸邨の鮟鱇の骨まで凍ててぶち切らるを知り、衝撃を受けた。俳句との出逢いはこの句だったと記憶している。NPO法人季語と歳時記の会が発行する『きごさい』の最新号が届いた。季語と歳時記の会は「きごさい全国小中学生俳句大会」の運営母体である。尊敬する西川遊歩さんは、この会の副代表で共に子どもの俳句大会を運営してきた同志だ。現在は大岡信研究会の会長をされているが、一世を風靡した『地球の歩き方』の産みの親であり、若き時代にはバックパッカーとして、世界中を歩き回った伝説の人だ。