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当たり前

俳句フォトエッセイ

秋暑く共栄堂のカレーかな

暑さが戻った日、心の許せる友人と会うために神保町に出た。約束の時刻は14時なので、その前に昼飯を食べることにした。どうするか、一瞬迷って、共栄堂のカレーにすることに決めた。共栄堂は古いカレー専門店である。創業は大正13年というからもう100年以上だ。ここのカレーはスマトラカレーだ。小麦粉を使わず、独特の苦味がある。そして、そこが旨い。共栄堂という店の名前の由来は、父に聞いた。父もここのファンだったのだろう。同じ名前の共栄堂が新橋にもあったのだという。共に栄えようというので「共栄堂」としたが、喧嘩別れして、神保町だけしか残っていないというのだ。本当か嘘かは知らない。共栄堂は、地下一階にある。

俳句フォトエッセイ

点々と百合の木の花風そよぐ

つい最近まで、百合の木というものがあることさえ知らなかった。まして、そこに花が咲いているとは!考えてみれば当たり前のことだが、想像が及ばなかった。この日はプラタナス、つまりすずかけにもまあるい玉のような花があることも知った。現在、一緒に江東区中学校俳句部を指導しているAさんのおかげである。花や木の名前がわかると句がグッと具体的になる。冒頭の句、子どもたちの句会に一緒に出した句だ。「風そよぐ」が如何にも安易で苦し紛れだ。思い付かなくても、時間の中でとにかく仕上げることが大事という社会通念を優先した形だ。江東区中学校俳句部は2012年に誕生した。ぼくが、俳句担当の職に就いて2年目のことだ。