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東横線

俳句フォトエッセイ

水の町水の都の青葉陰

この日も沼津の加藤学園で午後の授業がある。少し寝坊し駅に向かった。東横線が動いていない。いつも空いているホームに人が溢れている。これには、少し焦った。新横浜で切符を買うにも時間がかかる。ジパング倶楽部の会員で割引になるのはいいのだが、いちいち列に並んで買わなければならない。列の長さにうんざりする。時刻表を見る。のぞみは何分おきかにじゃんじゃん来るのに対して、三島に停まるこだまは、30分に1本しかない。こんなことにイライラしている自分にイライラしている自分がおかしかった。新幹線に乗ってしまえば、三島はあっという間だ。思い立って三島で降りた。駅からすぐそばの鰻屋に見覚えがあった。

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薫風やTokyuStoreニューオープン

朝、人だかりに気がついた。「そうか、今日は東急ストアが開店する日なのか」知ってはいたが、今日だったのか。そう言えば、昨日の帰りに電気が煌々とついていたことを思い出した。ここは、川崎信用金庫がある場所だ。ようやく工事が終わり、信用金庫は2階に。そして一階と地下の部分が東急ストアになったというわけだ。東急ストアは東横線の駅にはほとんど入っている。大概は駅直結だ。武蔵小杉にも、日吉にも綱島にもある。元住吉だけは無縁だった。駅の改装の時に出来てもおかしくなかったがどういうわけか出来なかった。それが「ついに」というのがぼくの印象だ。開店を待って長い列が続いている。

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秋気満ち疾駆疾走南武線

東京都立立川国際高校付属小学校に向かっている。今日は一年生の授業だ。朝は爽やかで気持ちがいい。いよいよ秋だ。「秋気」という季語がある。秋の気配のことで、秋らしい清々しさを言う。ご存知のように南武線は川崎市を縦断している唯一の鉄道路線である。子供の頃は、この南武線に乗ることはほとんどなかった。生活圏は東横線沿線で「川崎」には縁もゆかりもなかったからだ。南武線によく乗るようになったのは「小山正見のかわさき俳句フォト」の連載を始めてからである。昔の南武線は使い古しの車両が走っていたが、今は新型が投入されているようだ。それに朝、夕は通勤客で超満員になる。間違いなく黒字路線だ。

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新緑の田園調布の並木道

久しぶりの田園調布だ。西口の銀杏並木の新緑が眩しい。ぼくは田園調布を歩くのが好きだ。緑に囲まれた閑静な住宅街を散歩すると心が落ち着く。その理由の一つは、ぼくが田園調布小学校の卒業生だからだろう。母親は今から考えるとかなりの教育ママだった。本当は学芸大学の附属小学校に入れたかったが試験で落ちた。抽選とぼくは聞いていたが、眉唾だ。父親が青山師範の附属を出ているので、それに倣いたかったのだろう。「寄留」と言っていたが、田園調布に住んでいた父親の親友Mの家に住んでいることにして、ぼくは毎日東横線に乗って田園調布小学校に通った。クラスメイトの家の庭はゴムボールでの野球ができるほど広かった。

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見下ろせば紛ふことなき春の水

深山幽谷の如しであるが、これは、都内世田谷区である。等々力渓谷。都内にこんな場所があるとは、驚きである。天気に誘われて出かけた。ぼくは計画を立てるのは好きではない。何だか自分が縛られるような気がするからだ。朝の天気と暖かさ。これが背中を押した。東横線で自由が丘まで出て、大井町線に乗り換えた。等々力の駅を降りると、鰻屋がある。「平沢」という古民家風の店だ。好物の鰻には目がない。しかし、最近は値段が高くご無沙汰している。夜はともかく、ランチコースなら手が届く値段だ。今度奮発して来てみよう。近くのゴルフ橋から渓谷に降りられるはずた。ところが、なんたることか、ゴルフ橋の入口は封鎖されている。

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新年の横断幕に迎へらる

この前雨が降ったのはいつだったか?忘れてしまうぐらい久しぶりの雨だ。場所は新丸子である。東横線で元住吉から渋谷方面に向かって二つ目の駅。急行は止まらない。特別の用事でもなければ降りない。コロナの頃、妻と散歩に来て以来の新丸子だ。今日は、その特別な用事があった。新丸子駅から近い「上丸子小学校」のわくわくプラザから「俳句を教えて欲しい」と言う要請があったのだ。上丸子小学校は綱島街道沿いにあるお洒落な校舎の学校だ。一学年五クラスあると言うから、相当なマンモス校なのである。わくわくプラザは、学童保育のような場所である。昨年住吉小学校のわくわくプラザで俳句を教えた。

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ひたすらに歩きて浸る初湯かな

すっかり温泉にハマってしまった。宮前平の温泉まで行こうかとも考えたが、乗換二回はかったるい。スマホで調べたらあった。綱島だ。ここなら電車で二駅。かつて「綱島温泉」があった。東横線の窓から湯のマーク。見た記憶がある。既になくなったはずだ。新しい施設らしい。綱島の駅からかなり離れている。歩くと30分近くかかりそうだ。「まぁいいや」暇だし、バスでもあるに違いない。綱島の駅はすっかり綺麗になっていた。新綱島という新しい駅までできている。キョロキョロと見回したが、結局バスはわからなかった。ひたすらに歩く。「綱島温泉湯けむりの庄」は想像したよりずっと立派な施設だった。車が次々に吸い込まれてくる。