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さざんかの咲き急ぎまた散り急ぎ

小山正見

さざんかは冬の花である。
垣根にもよく使われているので、通勤途中に見ておられる方も多いと思う。
都内では、江東区や杉並区、清瀬市がさざんかを区や市の花に指定している。
年配の方なら大ヒットになった大川栄策の「さざんかの宿」を覚えておられるだろう。
さざんかは、見たところ椿とそっくりだ。もちろん詳しい人なら花や葉っぱで見分けることができるが、素人には難しい。
一番易しい見分け方は花の散り方、落ち方である。椿は花ごとポトリと落ちるのに対して、さざんかは花びらが一枚一枚散るのである。
さざんかは漢字では「山茶花」と書く。違和感を覚えないだろうか?普通に読めば「さんざか」ではないか。
実はその通りなのだ。昔は「さんざか」と呼ばれていた花がいつの間にか「さざんか」になってしまったのだ。
こういう例は他にもある。
秋葉原は昔は「あきばはら」だったものが今は「あきはばら」になった。
「新しい」は今は「あたらしい」と読むが昔は「あらたしい」だった。言葉は時代によって変わるのである。
しかし花そのものは変わらない。
山茶花の咲き急ぎ散り急ぐさまを静かに眺めてみようではないか。

都政新報12/16付です。