俳句フォトエッセイ2025.07.29ざばざばと冷やし中華の出来上がり小山正見究極の個人情報だが、ぼくには糖尿病の持病がある。家系だ。祖父は、糖尿病で死んだと子供の頃に聞かされた。糖尿病そのものでは死ぬわけはないから、おそらく合併症だろう。父も糖尿病だった。コーヒーにはサッカリンを入れて飲んでいた。70歳前後から目が悪くなり、天眼鏡を使って本を読んでいた。テレビを観ることも辛かったのか、ラジオばかり聴いていた。ぼくの場合、それと比べればかなりましだ。明確な合併症はまだ出ていない。しかし昨年、糖尿病を測る数値として用いられるヘモグロビンA1cの値が8を超え9に近づいた。危険信号だ。今年の初め、他の事情も重なって病院を自宅の近くの関東労災病院に変えることにした。20年近くぼくを診てくれた先生と離れて、新しい先生に診てもらうことになった。先生は、まだ20代と思われる若い女医さんだった。血液検査の結果を見ながら「薬を変えましょうか」と言った。提案されたのは、週一回自分で打つ注射型の薬だった。「これで慣れておけば、インシュリンを打つ練習にもなります」と恐ろしいことを言う。この薬がハマった。ぐんぐん血糖値が下がった。9近くあったヘモグロビンA1cが数ヶ月で7.1にまでなった。薬か効くのは良いが、効きすぎるのは恐ろしくもなる。それに「こんなに薬が効くのなら、少しぐらい甘いものを食べてもいいか」とガードが緩くなる。栄養相談に行ったら、色々脅かされた。塩分過剰も指摘された。話を聞いているうちに結局外食に頼っているとどうにもならないことに思い当たった。面倒くさいが、自分で作って食べれば、それなりにコントロールできるということだ。全部とはいかないが、週に何回かでも自炊してみようか。手始めに作ったのが冷やし中華。卵焼きときゅうりとハム(少し塩分があるが)を適当に切って、ざばざばと散らした。久しぶりに作った冷やし中華、けっこううまかった。
究極の個人情報だが、ぼくには糖尿病の持病がある。家系だ。祖父は、糖尿病で死んだと子供の頃に聞かされた。糖尿病そのものでは死ぬわけはないから、おそらく合併症だろう。
父も糖尿病だった。コーヒーにはサッカリンを入れて飲んでいた。70歳前後から目が悪くなり、天眼鏡を使って本を読んでいた。テレビを観ることも辛かったのか、ラジオばかり聴いていた。
ぼくの場合、それと比べればかなりましだ。明確な合併症はまだ出ていない。
しかし昨年、糖尿病を測る数値として用いられるヘモグロビンA1cの値が8を超え9に近づいた。危険信号だ。
今年の初め、他の事情も重なって病院を自宅の近くの関東労災病院に変えることにした。
20年近くぼくを診てくれた先生と離れて、新しい先生に診てもらうことになった。
先生は、まだ20代と思われる若い女医さんだった。
血液検査の結果を見ながら
「薬を変えましょうか」
と言った。
提案されたのは、週一回自分で打つ注射型の薬だった。
「これで慣れておけば、インシュリンを打つ練習にもなります」
と恐ろしいことを言う。
この薬がハマった。ぐんぐん血糖値が下がった。9近くあったヘモグロビンA1cが数ヶ月で7.1にまでなった。
薬か効くのは良いが、効きすぎるのは恐ろしくもなる。それに
「こんなに薬が効くのなら、少しぐらい甘いものを食べてもいいか」
とガードが緩くなる。
栄養相談に行ったら、色々脅かされた。塩分過剰も指摘された。
話を聞いているうちに結局外食に頼っているとどうにもならないことに思い当たった。
面倒くさいが、自分で作って食べれば、それなりにコントロールできるということだ。
全部とはいかないが、週に何回かでも自炊してみようか。
手始めに作ったのが冷やし中華。卵焼きときゅうりとハム(少し塩分があるが)を適当に切って、ざばざばと散らした。
久しぶりに作った冷やし中華、けっこううまかった。