【初心者歓迎】俳句フォトの会 会員申込はこちら

ようやっと風に揺らめく萩の花

小山正見

天気予報通り、急に涼しくなった。蒸し暑さは残っているし、エアコンが全く要らないと言うほどではないが、「いよいよ秋」という実感がある。我が家の萩の花もようやっとほころび始めた。
この萩はおそらく宮城野萩という品種だろう。
萩にも種類が色々ある。山萩が一番多いらしい。宮城野萩にも色のバリエーションがある。
ぼくが萩で美しいと思ったのは、墨田区にある向島百花園の萩のトンネルと鎌倉宝戒寺である。
百花園の方は宮城野萩が中心だが、宝戒寺は白萩だ。
俳句結社の鎌倉吟行で連れて行っていただいた。見事な萩に圧倒されて碌な句ができなかった(笑)。
講談社学術文庫に『雨のことば辞典』と言う本がある。天気予報で有名だった倉嶋厚さんらの編著である。この本をめくると日本語にいかに雨に関わる言葉が多いかがわかるが、同じシリーズに『花のことば辞典』もある。こちらも倉嶋氏の監修である。
この本で「萩」を調べてみると「古来日本の秋を代表する景物として詩歌に歌われてきた。」とあり、花言葉は「想い」とあった。
花が咲くことについて、
開く、ほころぶ、開花するなど色々な表現があるが、散る方もさまざまだ。
散る、落ちる、しぼむ、こぼれる、朽ちる、舞うetc
散華とか花吹雪、花嵐という言い方もある。
萩は「こぼれる」であろうか。
風に揺らめく萩は「大花野」にふさわしい。