【初心者歓迎】俳句フォトの会 会員申込はこちら

カリウムの値を下げよ十二月

小山正見

「ついに来たか」
医者からの指示は「カリウムの値が上がらないように注意してください」というものだった。
カリウムは腎臓関わる値の一つだ。どうやら薬の飲み合わせとの関係もあり、腎臓の機能がかなり低下しているらしい。
その割には元気で体の怠さもない。しかし参った。あと10年、ビンビンコロリというわけにはいかないかもしれない。
栄養相談を受けたらカリウム値が高い食品の表を渡された。
「バナナは食べないようにしてください」
見るとほとんどの果物や野菜もカリウム値が高い。
「これじゃあ何も食べられないではないか」
カリウム値が低い代表的な食べ物は白米である。玄米と比べてもカリウム値は3分の1だ。
これまでは糖尿病を心配して、炭水化物を少なくしていたのに、まるで逆の食生活になってしまった。
野菜は煮出したり、水に晒すとカリウムが減ると言う。
そこで、考え出したのがキャベツ、玉ねぎ炒飯だ。
まずキャベツ、玉ねぎをみじん切りにして鍋に入れ煮出す。
それを炒め温めたチンご飯を加える。
卵を加え、できるだけ少なめのタレを入れて出来上がり。タレの塩分は気になるが、やむを得ない。
炒飯など食べるのは何十年振りだろう。これが結構美味い。
夜は茄子炒めが多い。これも茄子を20分程水に晒す。冷凍の挽肉なども加えてぐだぐだになるまで炒める。少量のポン酢を掛けて食う。これも気に入っている。
できる範囲で気をつける。しかし、食べたい時は何でも食べる。喜寿も過ぎた。いつ死んでも悔いはないと思えば怖いものはない。