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スッポンも亀も彼岸の甲羅干し

小山正見

正岡子規に「毎年よ彼岸の入に寒いのは」の句がある。母親八重の言葉をそのまま写した句とされている。
季節は、暖かくなったり寒くなったりを繰り返しながら、春本番に近づいていく。
もうお彼岸である。
暖かな一日、都立清澄庭園に出かけた。地下鉄の清澄白河の駅から歩いてわずか5分。別世界のような庭が広がっている。
ここは、江戸の豪商紀伊國屋文左衛門の屋敷跡ともされている。明治に入り、三菱の創始者である岩崎弥太郎によって整備された名勝の一つだ。
中に入るとすぐに、摂津御影石の手水鉢があるが、この庭園には伊豆や紀州から数々の名石が集められている。
池の磯渡りに使われている石も見事なものだ。
春の陽を浴びて、鴨が静かに水をかいている。水面がきらきらと眩しい。杏も花盛りだ。
風が何となく暖かい。鯉が優雅に泳ぎ、岩の上にはスッポンと亀が重なり合って甲羅干しをしていた。

都政新報3/24付 「暮らしを楽しむ俳句フォト25」