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小山正見

川崎駅である。けっこうな人だ。次から次から流れてくる。
久しぶりの快晴。正に五月晴れである。
大型連休、明日も明後日も休みなのだから、どこかに行きたくなるのは当然だ。
ポン友の松本芳明が川崎で写真展をするというので、冷やかしに来た。
それにしても川崎は変わった。
昔の川崎は煤煙の町だった。駅前だってひどいものだったらしい。
巨大な歓楽街である銀柳街は今でも昔の雰囲気を残しているが、駅前は間違えるほどだ。
川崎が変わり始めたのは、おそらくチネチッタの頃からだ。シネマコンプレックスを中核としたこのイタリア風の建物群は川崎をおしゃれな町に押し上げる第一弾だった。
地下街のアゼリアも他の町に引けを取らない。そして、極め付けは川崎駅である西口にできた巨大なショッピングセンターであるラゾーナである。
一階には、スーパーマーケットやホームセンター、ユニクロやダイソーも入っている。
シネマコンプレックスもビッグカメラもある。
蒲田や横浜から川崎に買い物に来ると言うのだからびっくりだ。
川崎は、「逃げ出す町」から「人が来る町」に明らかに変貌している。

松本君の写真展は、駅に直結するビルの3階のアートガーデンかわさきで行われていた。隣は、川崎浮世絵ギャラリーがある。
この展覧会は、「ひとりよがり展」と題されているが、京都芸術大学通信教育部芸術学部美術科写真コース有志展、つまり卒業制作展なのである。
彼の作品は、猫じゃらし一枚。雑草をテーマに武蔵野線沿線を一駅ずつ歩き、一万枚以上撮った写真の中の一枚だという。
実物の何倍にも拡大された猫じゃらしが、印画紙でなく、絹の布に印刷され風に揺れているのだ。何という斬新な発想か。しばらくの間、見惚れてしまう。

川崎駅の雑踏はまだ続いていた。ぼくは、川崎駅をくぐり抜けラゾーナに向かった。川崎にできたApple Storeの存在を知ったからだ。しばらくは、新しい川崎の空気を吸うことにしよう。