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猫じゃらし

俳句フォトエッセイ

初夏の狗尾草の毛の気配

数年前までは、農地だった土地だ。今は、すっかり放置されている。毎週ぼくはここを通るが、見ると狗尾草が繁茂している。狗尾草は、秋の季語だ。しかし、秋になって生えてくるというわけではないのだ。狗尾草は、俳句授業の良い教材である。形が面白いし、揺れる。遊び道具にもなる。しかも身近にあり、親しみやすい。薔薇の花を授業に持ち込むには、お金がかかるが、狗尾草ならそこら中に生えている。道路端に生えている何本かを引き抜いても誰にも文句が言われない。もう穂を伸ばしているとは!かつて本で読んだことがある。人の目は出始めの頃のデジタルカメラぐらいの性能でしかない。

俳句フォトエッセイ

百均と呼ばれし店のしゃぼん玉

元住吉にあった住吉書房がなくなってから1年半ほどが経った。1階には、ドラッグストアがすぐに入った。しかし、2階は開いたままだった。そこにようやく店が入った。Seriaである。ぼくは知らなかったが、大垣に本社がある「百均」の店だとわかった。全国に2000以上の店舗を持つという。元住吉には文房具屋もないが、百均に行けばだいたいの事務用品が揃うので安心である。ワインパーティを企画した時、ワイングラスをどうするか悩んだ。「まさか、紙コップというわけにはいかない」。そこで思い浮かんだのが百均だ。1つ100円のガラスのワイングラスが売られていたのには、感激した。

俳句フォトエッセイ

人人人黄金週間人人人

川崎駅である。けっこうな人だ。次から次から流れてくる。久しぶりの快晴。正に五月晴れである。大型連休、明日も明後日も休みなのだから、どこかに行きたくなるのは当然だ。ポン友の松本芳明が川崎で写真展をするというので、冷やかしに来た。それにしても川崎は変わった。昔の川崎は煤煙の町だった。駅前だってひどいものだったらしい。巨大な歓楽街である銀柳街は今でも昔の雰囲気を残しているが、駅前は間違えるほどだ。川崎が変わり始めたのは、おそらくチネチッタの頃からだ。シネマコンプレックスを中核としたこのイタリア風の建物群は川崎をおしゃれな町に押し上げる第一弾だった。地下街のアゼリアも他の町に引けを取らない。

俳句フォトエッセイ

秋めきぬ風引き連れて南武線

今日も暑い。冷房の中に一日中閉じこもっていたい1日だ。しかし、それでも何となく空気が違う。秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬるという紀貫之の歌がある。現代ほどではあるまいが、平安時代の残暑もそこそこに暑かったのだろう。植物を見れば、秋の気配は濃厚である。猫じゃらしは緑のままだか、そころそんしょに生えている。郊外に行けば、コスモスも花をつけ始めている。赤蜻蛉が飛び回っている。こんなに暑くても秋は来るのだ。とここまで書いたところで、Facebookを見たら、オカリナ奏者の中村純子さんが、「鹿島田にもつくつくほうしが来たぞ!」と投稿されているのを見つけた。