俳句フォトエッセイ2025.12.01冬ざるる朝の歯医者の待合室小山正見今日の朝は寒い。空は曇っている。冬の空だ。朝一番で歯医者に行った。今日は一本歯が入る。子供の時から歯医者には恐怖感がある。歯を何本も抜かれた恐怖が残っているのかもしれない。先日も「あなたは型を取るとウェーとなるからねぇ」と笑われてしまったが、意気地がないのだ。緊張がそのまま顔に出るらしい。恐怖や困難、痛みや気持ち悪さにどう対処できるかは、生きる力そのものだ。10年以上前だが、大腸にポリープがあって切除したことがある。その下剤が飲めなかった。普通の人が日帰りで済むところを病院に二泊した。意気地がないのだ。今まで生きてきたのは運としか言いようがない。ぼくにはもう一つ重大な弱点がある。それは「好き嫌い」だ。子供の頃は卵の白みも肉の脂身も食べられず、ご飯に胡麻塩をかけて食べていたので「胡麻塩坊や」という有り難くない渾名がついた。給食をいつも残し、先生に始終怒られていた。大人になってようやくタマネギの旨さを知った。ウニやイクラ(笑)も食べられるようになった。それでも春菊や三つ葉など香りのある野菜は全く受け付けない。パクチーなどもってのほかだ。他にも、一度「ダメ」と思ったら受け付けなくなってしまうのだ。困ったものだ。人類は何でも食べる雑食だったからこそ、地球の全ての地域に進出できた。ぼくはその人類の足を引っ張っている存在だ。今の日本でなかったらいったい何歳まで命を保てたか、わかったものではない。しかし、折角この年まで生きながらえたのだから、命を大事にして生きて行くことにしよう。
今日の朝は寒い。空は曇っている。冬の空だ。
朝一番で歯医者に行った。今日は一本歯が入る。
子供の時から歯医者には恐怖感がある。歯を何本も抜かれた恐怖が残っているのかもしれない。
先日も
「あなたは型を取るとウェーとなるからねぇ」
と笑われてしまったが、意気地がないのだ。緊張がそのまま顔に出るらしい。
恐怖や困難、痛みや気持ち悪さにどう対処できるかは、生きる力そのものだ。
10年以上前だが、大腸にポリープがあって切除したことがある。その下剤が飲めなかった。普通の人が日帰りで済むところを病院に二泊した。意気地がないのだ。
今まで生きてきたのは運としか言いようがない。
ぼくにはもう一つ重大な弱点がある。
それは「好き嫌い」だ。子供の頃は卵の白みも肉の脂身も食べられず、ご飯に胡麻塩をかけて食べていたので「胡麻塩坊や」という有り難くない渾名がついた。
給食をいつも残し、先生に始終怒られていた。
大人になってようやくタマネギの旨さを知った。ウニやイクラ(笑)も食べられるようになった。
それでも春菊や三つ葉など香りのある野菜は全く受け付けない。パクチーなどもってのほかだ。他にも、一度「ダメ」と思ったら受け付けなくなってしまうのだ。困ったものだ。
人類は何でも食べる雑食だったからこそ、地球の全ての地域に進出できた。
ぼくはその人類の足を引っ張っている存在だ。今の日本でなかったらいったい何歳まで命を保てたか、わかったものではない。
しかし、折角この年まで生きながらえたのだから、命を大事にして生きて行くことにしよう。