俳句フォトエッセイ2025.12.21冬薔薇の匂ひ漂ふカウンター小山正見武蔵小杉に向かう途中、和田珈琲店のカウンターに座っている。目の前に薔薇をメインにした鉢があり、隣には小さな人形が並んでいる。フェルトのクリスマスツリーがある。いつもはセルフサービスのチェーン店だが、こういう店は心が落ち着く。午後からは「椿句会」と称する句会がある。3年近く前のことだ。当時の責任者の方から跡を継いでほしいと言われた。江東区を退職したばかりで暇だったのでお引き受けすることにした。それから毎月一度武蔵小杉に通っている。今日は時間があったので、いつもは通らない道を通ってみた。廃墟になった建物、空家が目につく。以前は確かに人の住んでいたアパートが草ぼうぼうになっていた。以前ここで猫の写真を撮ったことを思い出した。人が住んでいた頃はどんなに古くても建物に生気があった。今はそれが全く感じられない。正に廃墟なのだ。廃墟には廃墟の匂ひ十二月 正見法政二校の時計台。保存運動の結果残された。ぼくはここで柴田勲を見ている。甲子園で優勝した年である。多分1961年の春である。柴田勲は巨人に入団し、活躍をしたことはある程度の年齢の方なら記憶にあるだろう。思いがけずカトリックの中原教会の裏に出た。昔は幼稚園も経営していたそうだ。ここで子ども食堂が催されているという話を最近耳にした。二ヶ領用水沿いの桜はほとんど枯れていたが僅かに残った桜紅葉の赤は鮮やかだった。残されぬ桜紅葉の赤さかな 正見句会の始まる時刻が近づいてきた。ここから歩いて10分ほどである。目の前では、オーナーがサイフォンで珈琲を淹れている。
武蔵小杉に向かう途中、和田珈琲店のカウンターに座っている。目の前に薔薇をメインにした鉢があり、隣には小さな人形が並んでいる。フェルトのクリスマスツリーがある。
いつもはセルフサービスのチェーン店だが、こういう店は心が落ち着く。
午後からは「椿句会」と称する句会がある。3年近く前のことだ。当時の責任者の方から跡を継いでほしいと言われた。江東区を退職したばかりで暇だったのでお引き受けすることにした。それから毎月一度武蔵小杉に通っている。
今日は時間があったので、いつもは通らない道を通ってみた。
廃墟になった建物、空家が目につく。
以前は確かに人の住んでいたアパートが草ぼうぼうになっていた。以前ここで猫の写真を撮ったことを思い出した。
人が住んでいた頃はどんなに古くても
建物に生気があった。今はそれが全く感じられない。正に廃墟なのだ。
廃墟には廃墟の匂ひ十二月 正見
法政二校の時計台。保存運動の結果残された。ぼくはここで柴田勲を見ている。甲子園で優勝した年である。多分1961年の春である。柴田勲は巨人に入団し、活躍をしたことはある程度の年齢の方なら記憶にあるだろう。
思いがけずカトリックの中原教会の裏に出た。昔は幼稚園も経営していたそうだ。ここで子ども食堂が催されているという話を最近耳にした。
二ヶ領用水沿いの桜はほとんど枯れていたが僅かに残った桜紅葉の赤は鮮やかだった。
残されぬ桜紅葉の赤さかな 正見
句会の始まる時刻が近づいてきた。ここから歩いて10分ほどである。目の前では、オーナーがサイフォンで珈琲を淹れている。