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凛と立つ白一色の水仙花

小山正見

水仙は1月から2月にかけて咲く花の代表格だ。季語としては冬に分類されているが、2月に入ってもしっかり花をつけている。
 水仙は原種だけで50種類、園芸種になると1万種以上あるというから驚きだ。
 水仙の原産地は地中海周辺である。日本に入ってきたのは平安時代より前というから、もうすっかり日本の風土に定着している。
 先日、散歩の途中に真っ白な水仙を見つけた。ペーパーホワイトという品種である。
 「紙のように白い」ことからこの名前がついた。
 水仙の学名は「ナルキッソス」である。これは水に映った自分の姿の美しさに見惚れて、命を落としたギリシャ神話に出てくる美少年の名前だ。ここからナルシズムという心理学用語が生まれた。
 花言葉で言えば「自己愛」や「うぬぼれ」である。
 しかし、日本での水仙の花言葉はまるで違う。「忍耐」や「尊敬」「神秘」である。
 これには日本に定着した越前海岸の水仙が大いに寄与している。日本海の荒波と強風に負けず断崖にへばりつくように咲く水仙の花の可憐さは神々しいばかりだ。
 ほのかに甘い香りが漂ってくる。
 ぼくの見た白一色の水仙は風にそよぎながらあくまで静かに立ち続けていた。

都政新報2/10付「暮らしを楽しむ俳句フォト」19