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剃る髭に白の混じりぬ秋の暮

小山正見

鏡で自分の顔をしげしげと眺めた。
頭の毛ばかりでなく、顎の髭も相当に白くなっている。
毎朝、髭を剃るのは面倒くさい。実に面倒くさい。
若い時の無精髭なら、それなりに格好いいが、ジジイの無精髭はみすぼらしくなるだけだ。
実は、一度だけ口髭を蓄えたことがある。24歳で結核療養所にお世話になっていた時である。
しかし、やってみると髭を全部剃るのより手間がかかる。顎などは剃らなくてはならないし、その上伸ばしている髭も長さをそろえるないと、たちまちだらしなく見える。
昔は毛深い方が女性にモテた。胸毛などは男らしさの象徴だった。今は時代が逆転した。毛深い方が敬遠されたりする。髭は現代に似合わない。
若い頃は、安全カミソリを使った。歯が直接の肌に当たらない構造になっているのだ。上手く工夫したものだと思う。
しかも、最初は一枚刃だったものが、二枚刃になり、深剃りができるようになった。今は四枚刃や五枚刃のものまで登場している。
しかし、これまた面倒くさい。シェビングクリームなどで髭を柔らかくしないと、剃る時に痛くてたまらないのだ。
そこに登場したのが電気カミソリだ。
最初の電気カミソリができたのは100年ほど前のアメリカらしい。日本に普及し始めたのは1960年代以降だ。ぼくが使うようになったのは今世紀に入ってからである。
リチウムイオン電池の使用で充電がすぐできるようになったことが大きい。
主なメーカーはドイツのブラウン、オランダのフィリップス、それに日本のPanasonicである。
フィリップスは三枚の回転する別々の刃がついている独特の形をしている。どのような角度の髭でもキャッチしやすいからだろう。しばらく愛用してきたが、掃除が面倒くさくなってやめた。
今使っているのはブラウンだ。もう10年近い。「Easy Cleen」とある。正に!と思うが、最近は髭が白くなるだけでなく細くなってきた。すると髭が刃に引っ掛からない。困っている。
よい髭剃りの道具があれば、ぜひ教えて欲しいものだ。