俳句フォトエッセイ2025.08.09炎天を彷徨ひ歩く午後一時小山正見暑い日が続く。しかし、一時より体は軽い。湿気が抜けたからであろうか。今日は、西加瀬こども文化センターでの俳句教室がある。地元川崎市での依頼はできるだけ受けたいと思っている。最初「こぶんでお願いします」と言われ、何のことかわからなかった。「こぶん」と聞いて「古文」が頭に浮かんだ。話を聞きながらようやく「こぶん」が「こども文化センター」の略称だとわかった。12時半には家を出た。西加瀬文化センターは、駅からは遠く少々わかりにくい場所にある。と言うより、場所の確認すらしていなかった。「いざとなればタクシーで行けば良い」とたかを括っていたからだ。家を出て、Googleマップで行き方を調べてみた。すると徒歩で20分と出た。「なんだ、それなら歩いて行けばいいじゃないか」尻手黒川通りの東急の車両基地を抜け、綱島街道、木月4丁目の交差点に出た。昔、ここは焼肉交差点と呼ばれていた。四隅全部に焼肉屋があったからだ。今は一軒もない。地図に従って歩く。「ここを曲がればいいのか」綱島街道の向こう側は散歩でもあまり行かない。静かな住宅街が続いている。昔ながらの八百屋がある。隣は飲み屋とイタリアン「レストラン」だ。生活の匂いがしてくる。道は曲がりくねり、かつての農道だったことを示している。「待てよ。何だかおかしい」気づいたのは「大楽寺駐車場」の看板があったからだ。大楽寺は木月4丁目の交差点の近くにあるお寺。道を間違えたのだ。ぐるっと回って元に戻ってしまったのだ。途端に汗が出て、体が急に重くなった。人間は精神に支配される動物だと身に染みた。それからも紆余曲折があり、ようやく西加瀬「こぶん」に辿り着いた。俳句教室は楽しかった。参加者は低学年を中心に8人。壁には、「誰でも作れる楽しい俳句」とあり、「出張感泣亭」の張り紙も。職員の方がよく準備してくださり、やりやすい環境だった。俳句は初めてというこどもたちだが、少しずつ慣れて最後には、それぞれが自分の俳句集を完成させた。ある子の俳句★おにぎりにおかかをかけた夏の朝★おにぎりをおにがにぎるよ夏の朝★おにぎりの味つけかんぺき夏の朝★いろいろなしゅるいのシロップかき氷★ブルーハワイたくさんかけて出来上がり★早朝に朝顔光る夏休み★れいぞうこ自分が入ってきもだめし帰りは、元住吉の駅に出たが、驚くほど近いと感じた。日が落ちて、夕風が気持ちよかった。
暑い日が続く。しかし、一時より体は軽い。湿気が抜けたからであろうか。
今日は、西加瀬こども文化センターでの俳句教室がある。
地元川崎市での依頼はできるだけ受けたいと思っている。
最初「こぶんでお願いします」と言われ、何のことかわからなかった。「こぶん」と聞いて「古文」が頭に浮かんだ。話を聞きながらようやく「こぶん」が「こども文化センター」の略称だとわかった。
12時半には家を出た。西加瀬文化センターは、駅からは遠く少々わかりにくい場所にある。と言うより、場所の確認すらしていなかった。「いざとなればタクシーで行けば良い」とたかを括っていたからだ。
家を出て、Googleマップで行き方を調べてみた。すると徒歩で20分と出た。
「なんだ、それなら歩いて行けばいいじゃないか」
尻手黒川通りの東急の車両基地を抜け、綱島街道、木月4丁目の交差点に出た。昔、ここは焼肉交差点と呼ばれていた。四隅全部に焼肉屋があったからだ。今は一軒もない。
地図に従って歩く。
「ここを曲がればいいのか」
綱島街道の向こう側は散歩でもあまり行かない。静かな住宅街が続いている。昔ながらの八百屋がある。隣は飲み屋とイタリアン「レストラン」だ。生活の匂いがしてくる。道は曲がりくねり、かつての農道だったことを示している。
「待てよ。何だかおかしい」
気づいたのは「大楽寺駐車場」の看板があったからだ。大楽寺は木月4丁目の交差点の近くにあるお寺。
道を間違えたのだ。ぐるっと回って元に戻ってしまったのだ。途端に汗が出て、体が急に重くなった。人間は精神に支配される動物だと身に染みた。
それからも紆余曲折があり、ようやく西加瀬「こぶん」に辿り着いた。
俳句教室は楽しかった。参加者は低学年を中心に8人。壁には、「誰でも作れる楽しい俳句」とあり、「出張感泣亭」の張り紙も。職員の方がよく準備してくださり、やりやすい環境だった。俳句は初めてというこどもたちだが、少しずつ慣れて最後には、それぞれが自分の俳句集を完成させた。
ある子の俳句
★おにぎりにおかかをかけた夏の朝
★おにぎりをおにがにぎるよ夏の朝
★おにぎりの味つけかんぺき夏の朝
★いろいろなしゅるいのシロップかき氷
★ブルーハワイたくさんかけて出来上がり
★早朝に朝顔光る夏休み
★れいぞうこ自分が入ってきもだめし
帰りは、元住吉の駅に出たが、驚くほど近いと感じた。日が落ちて、夕風が気持ちよかった。