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荒梅雨や緑に濡るる石畳

小山正見

ぼくが俳句フォトを始めたのは、今から15年前、退職の10日前に買ったiPhone3がきっかけである。
「いったい、これで何ができるんだ?」
半信半疑だった時、「フォト一句」というアプリを見つけた。写真に簡単な文字が入れられるアプリケーションだった。文字はゴシックと明朝の二択だった。
丁度その頃、森村誠一が始めた「写真俳句」がちょっとしたブームになっていて、NHKテレビでも「フォト575」という番組が作られたりした。
ぼくの作品も一度取り上げられたことがある。

夏来る働き蜂はみんな留守

というような、団地の写真をバックにした作品だったように思う。
しかし、その頃はまだデジカメが主流でスマホで写真は少数派だった。スマホのカメラの性能がまだまだ低かったからだ。
それでも、撮り溜めた俳句フォトをやはり当時流行り始めたフォトブックにまとめると作品集のようになった。ある時、俳人の宇多喜代子先生から「面白いわねぇ」と褒められ1冊差し上げた。(その当時は宇多先生がそんなに偉い方だと存じ上げていなかったのだ笑)
これからは第二次のブームだと思っている。
スマホのカメラの性能が飛躍的に高まり、トリミングにも十分に耐えられるようになった。標準でも様々なフィルターも使えるようになっている。文字入れアプリも充実してきた。そして、何よりみんながスマホを持つようになったからだ。
旅行のお供に、町おこしに、俳句フォトは今は最適なツールになった。

光悦寺の石畳は乱形張りの一種で、自然との調和が図られている。
紅葉の時期も美しいが、雨に濡れた緑の光悦寺もなかなかのものだ。