【初心者歓迎】俳句フォトの会 会員申込はこちら

俳句フォトエッセイ

俳句フォトエッセイ

平凡な平和な街の五日かな

そう言いたいところだが、世界はどうやらそうではないようだ。アメリカがベネゼイラの大統領を捕まえて、今後はアメリカが運営すると言う。色々理由をつけているが、どうやら自分に従わないのが気に食わないのだろう。2回の大戦を経て、意見は違っても話し合いで解決しよう。暴力は使わないがコンセンサスになっていたはず。それを投げ捨てた形だ。確かに2次大戦後も多くの紛争があったが、表向きには自衛の戦争であり、やられたからやり返すという理屈に立っていた。今回のトランプ大統領のやり方はその枠すら踏み越えている。明らかな利権の確保のためだ。

俳句フォトエッセイ

只一度祝ひし三日誕生日

不意にスマートフォンの画面に7年前の1月3日の画像が出てきた。2019年の1月3日である。写真の場所は横浜、山下公園の前にあるホテルニューグランドのレストランである。戦後進駐軍に接収され、マッカーサーが滞在したことで歴史的建造物となったあのホテルだ。山下公園への散歩の途中、3日が妻邦子の誕生日だったことを思い出し、少し豪華な昼食をとることにしたのだ。記憶をどう辿っても、この年以外妻の誕生日を祝った覚えがない。「何と冷たい!」と思われそうだが。我が家には、誕生日を祝うという習慣がなかった。ぼくの誕生日が1月2日、そして妻の誕生日が1月3日。お正月と重なっているのが理由の一つには違いない。

俳句フォトエッセイ

勝者有らば敗者も有りて年を越す

今年の漢字は「熊」だった。この一年で熊に襲われた人は200人を上回るそうだ。人間の世の中にも熊のような野蛮や攻撃性が満ちた一年だったと感じる。その中で、ワクワクするような希望をもたらしてくれたのは大谷翔平だった。ワールドシリーズでのドジャースの勝利と大谷翔平の活躍は一筋の光のようにすら感じられた。年末に大谷翔平の特集映像がNHKでも民放でも繰り返し流された。ホームラン3本、7回まで10奪三振という活躍。延長18回の試合での5回連続の敬遠。大谷の活躍は正に超人的だった。試合は手に汗にぎる接戦、見直してみると、ブルージェイズとどちらが勝っても不思議がない。運が作用したとしか思えない場面も多い。

俳句フォトエッセイ

冬紅葉瑞泉寺へと続く道

瑞泉寺は鎌倉のお寺だ。駅からバスに乗り大塔宮で降り、徒歩で10分の距離にある。大塔宮とは、護良親王を祀る鎌倉宮の通称である。護良親王は、後醍醐天皇の皇子で、倒幕の立役者の一人である。尊氏と対立し失脚。この地で殺害された。瑞泉寺に行く途中には、画家平山郁夫の居宅だった家もある。天気予報に反して風もなく静かな道を疏水に沿って上がると瑞泉寺が見えてくる。鶴岡八幡宮や小町通りは観光客で溢れているが、ここは誰もいない。鎌倉には約60のお寺があると言うが、喧騒に包まれている方が少数なのかもしれない。瑞泉寺は花の寺として有名だ。この季節だからほとんど花はなかったが、山門には石蕗の花がまだ残っていた。

俳句フォトエッセイ

湯けむりの炭酸泉に柚子百個

もうすぐ78歳になるというのに、今年も学校に授業に赴くなど俳句関係の仕事を多く頼まれた。忙しく疲れることもあるとは言え、幸せなことだと思う。その上、俳句フォトの連載をいただくなど、生き甲斐にもなっている。今年最後の仕事を終えて、綱島にあるスーパー銭湯「綱島温泉湯けむりの庄」行くことにした。綱島駅から歩くと20分以上かかるが、送迎のバスがある。定員は9名。その日は乗り遅れ、次のバスを15分待った。寒風にバスを待ちたる時間かな湯けむりの庄は、いつものように混んでいた。風呂に入ると、ぼくの好きな炭酸泉に柚子が大量に浮かんでいた。「そうだ、今日は冬至だ。」浮かんでいる柚子を見て、初めて気がついた。

俳句フォトエッセイ

冬ぬくしカフェ•ラ•ミラの白き壁

今年の最後の仕事は、ラボパーティ神奈川支部での「やさしい俳句」と題する講演とワークショップだった。ラボパーティとは、つづめて言えば英語教室なのだが、これが只者ではない。物語や人との交流を通して生きた言語を身につける、英語を身につけながら、生き方も人間関係も学ぶ教室なのである。国際交流も盛んだ。全国に支部を持ち、会員は2万人を超えるという情報もある。この日は神奈川支部のチューター(先生役)の方々60人近くが集まった。驚いたことがたくさんあったが、その一つはどの方も明るくて陽気だということだ。話を聞く時もジェスチャーたっぷり。さすがチューターの方々と思った。

俳句フォトエッセイ

歳晩や石田波郷を語り合ふ

ある日、江東区の広報課から電話があった。用件は「波郷記念館で区長と対談してほしい」というものであった。区長とは大久保ともか氏である。一度日程が合わないからと断ったら、別日を指定された。波郷のことなら僕より詳しい人がたくさんいると思ったが、折角の機会なので受けることにした。石田波郷は、戦後の大俳人である。戦後江東区に住み『江東歳時記』を著した。ぼくが波郷の句に出逢ったのは、「初蝶や我が三十の袖袂」だと記憶している。「バスを待ち大路の春を疑はず」の青春性にも惹かれた。しかし、波郷の生涯の全体を見ると結核との闘いだった。七夕竹惜命の二字隠れなし今生は病む生なりき鳥兜などの句には涙を禁じえないほどだ。

俳句フォトエッセイ

煌めきを我がものとして年の暮

クリスマスのイルミネーションが話題になったのは、1980年代の原宿だった。1km以上の欅並木を数十万のライトで装飾。観光客も訪れ、交通渋滞が起きるほどだったという。その後、イルミネーションはLEDの普及とともに各地に広がった。名所はいくつもあるが、その一つが丸の内の仲通りだ。欅並木がすべて、シャンパンゴールドのライトで統一され、通り全体が金色のトンネルのようである。出店も多い。キッチンカーもあれば、クリスマス関係グッズを売る店、アンティークショップもある。帝国ホテルのブースでは、クリスマスのお菓子「シュトーレン」も販売されていた。イルミネーションの始点の東京駅前では結婚式の前撮りが盛んだ。

俳句フォトエッセイ

店頭に閉店の文字年果つる

「閉店」。しかもよく見ると「完全閉店」とある。この場所には二度と開店しない意味かと思ってしまう。閉店は1月4日だが、2月の終わりには近くのビルの中に店を出すというのだから完全撤退でもなさそうだ。男物のスーツのチェーン店AOKI武蔵小杉店である。男物スーツは売れなくなったのかと思ったが、調べてみるとそれほどでもなさそうだ。元住吉の駅前の一等地にもスーツセレクトがある。一時より随分需要が減ったとしても、洋服の青山、AOKI、スーツセレクトなどのチェーン店は健在と言えよう。ぼくが初めてブレザーを着たのは大学に入った年だ。スーツは就職した時に作った。

俳句フォトエッセイ

はっちゃけて討入りの夜のコンサート

そう言えば、今日14日は「討入りだ」。とは言え、このコンサートは、討入りとは全く関係がない。中原市民館で行われた東海道セブンスターズの川崎ライブである。セブンスターズとは、川崎から大磯までの七つの宿場町にちなんだ名前だという。昨年までは川崎シンフォニーホールの市民交流室で行われていた。規模は100人程度だったが、今年はその約2倍。よくこれだけの人が集まるものだ。主宰の梅本誠さんと知り合ったのは約3年前。きっかけが何だったか、どうしても思い出せない。公演の後の懇親会で、川崎市市民活動センターのKさんや郷土史家のTさんとも知己を得ることができた。