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俳句フォトエッセイ

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何一つ予定無き日の薔薇赤き

久しぶりにカレンダーが空白の予定のない日だった。実に気軽だ。何をしても、どう時間を使うかをその日の気分で決めることができる。パンを焼き、トマトを切って、それにヨーグルトという軽い朝食を取って、最初に向かったのは銀行だ。溜まった小銭を預金するためだ。、小さなジャムの瓶にいっぱいに溜まった小銭は一万円近くあった。次は床屋だ。ほぼ一ヶ月に一度行くことにしているが、3週間を過ぎると伸びた感じになる。行ける時に行っておこう。老人割引で1900円。ひげまで当たってくれる。歩いて武蔵小杉の中原区役所に向かった。医療費が戻ってくると言う。それだけ病院に「投資」したと言うことだ。

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芍薬を花束にして君の許

見事な芍薬である。歴史ある山口時計店のあとに開店した青山フラワーマーケットの店頭の写真だ。庶民の町元住吉で、これだけの花が売れるのであろうか。少しばかり気になってしまう自分ではあるが・・・芍薬と言えば誰でも思い出すのは次のフレーズだ。「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」ご存知のように女性の美しい姿を愛でる表現である。芍薬は、真っ直ぐにすらりと立つ姿を、牡丹は地面に咲いている状態で、大輪の花を咲かせることを表している。さらに百合の花は、風に揺れながら咲く姿が優雅で香りも漂う。何となくふくよかな女性が想像される。そんな女性が百合のようにしなやかに歩く。

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絵を描(か)きて描(か)きて描(えが)きて青野へと

西田匠君の二人展にお邪魔した。匠君のことは、生まれた時から存じ上げていた。匠君のお母さんが私の妻と同じパルシステムで働いていた同僚だったからだ。お世話になった。我が家の食卓では、匠君の話題が度々出た。匠君はいわゆるダウン症で、発達に課題を抱えていた。障害の問題は病気の問題と同様、家族にとっては重い課題だ。その課題を匠君と西田家は、絵を描くことを中心に乗り切ってきた。匠君は2006年生まれだから今年18歳。この展覧会は高校卒業を記念して企画されたものだ。会った匠君は実に実にいい顔をしていた。お父さんもお母さんもいい顔をしていた。一緒に写真を何枚も撮った。場所はグレープブルーツギャラリー。

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ほんのりにほんのり重ね額の花

いつの間にか紫陽花が咲き始めている。この道にもあの道にも紫陽花がある。自分が子供だった頃、紫陽花は今ほどはなかった。気が付かなかっただけでもないような気がする。この数十年、紫陽花は飛躍的に増えたのだと思う。AIに聞いてみたら、「面白い視点ですね」という返事で、その理由をいくつか挙げてきた。①園芸品種の多様化と人気の上昇近年、紫陽花の品種改良が盛んで人気が高まっている。※確かに「ダンスパーティ」とか「隅田の花火」など新しい品種が生まれている。②気候の影響温暖化の影響で以前は育ちにくかった土地でも紫陽花が育て易くなった。※それも言えるかもしれない。

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カレーならCoCo壱が良し日の盛

暑い日になった。門前仲町の駅を降りたら、目の前にカレーのCoCo壱があったので迷わず飛び込んだ。ぼくはカレーライスが好きだ。何なら毎日でもいい。かつては都内の有名だったカレー屋を巡ったこともある。渋谷のムルギー、神保町の共栄堂、東銀座のナイルレストラン、新宿の中村屋etc一番美味いと思った店、名前は忘れたが、もうない。味が良ければ商売に勝つというのでもなさそうだ。CoCo壱に入ったのは生涯2度目だ。最初の時は辟易としたのを思い出した。標準でのご飯の量が何と300グラムもあるのだ。確かにお腹いっぱいにはなるが、ぼくには多すぎる。ご飯の減量をタッチパネルで指示する。

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揺れながらスカイウォーク五月富士

加藤学園の3回目の授業。今日で最後だ。授業の前に「何処に行こうか」と考えながら、三島駅を降りたら富士山が見えた。1回目は沼津駅前の商店街を散策した。2回目は沼津御用邸記念公園に行った。今年は沼津港には行っていない。しかし、今日の気分は魚ではない。三島も良い。水の都だ。疏水を歩くのも、三嶋大社もなかなかだ。楽寿園の緑も魅力的だ。しかし、富士山。「何かあったなぁ」と思い出したのがスカイウォークだ。バス乗り場を確かめたら、すぐわかった。スカイウォークまで710円だった。スカイウォークは人しか通れない、正に観光用の橋だ。長さは400メートル。頑丈な吊り橋だが、風が吹くと微妙に揺れる。

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川崎は バスの街なり 夏兆す

5/18付東京新聞川崎版に「小山正見のかわさき俳句フォト」が掲載されています。どうぞご覧ください。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/405572 川崎駅を出発するバス路線は驚くほど多い。埋め立て地先端の扇島に向かうバスもあれば、ディズニーランドへの直通バスもある。川崎区では、網の目のようにバス路線が張り巡らされている。ワンコイン100円で市立川崎病院へ行けるバスまである。多摩区など西部の各区も同様だ。大きく広がった住宅街の生活には車が必須。なければバスに頼るしかない。高齢化が進めば、バスの役割は一層大きくなるに違いない。

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ざばざばと緑の雨の水飛沫(しぶき)

所属している結社は宿泊吟行。行き先は逗子だが生憎の雨になった。逗子駅のホームには天井から雨が音を立てて滴り落ちている。尤も、俳句の良いところは雨が降ったら降ったで、その時にしか詠めない句ができることだ。いつまでも初心者のつもりでいたら、いつの間にか、俳句を始めてから20年を過ぎてしまった。ぼくが俳句を始めたのは56歳の時だ。芭蕉記念館のある八名川小学校に異動するという偶然に出会ったからだ。子どもたちにとって、俳句は良い教材だ。21世紀を生きる基礎学力とも言うべき創造力を育む。日本語力を磨くにも絶好だ。短いから少ない時間で取り組める。教師の負担も少ない。俳句は実にコスパがいい教材なのだ。

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天空に新しき街新樹光

まばゆいばかりだ。「五月晴」と言うのにふさわしい。元々「五月晴」は梅雨の間の晴れ間を指す言葉だったが、近年は五月の気持ちの良い晴れた日を指すことが一般的になっている。俳句を嗜む人は、こうした言葉の使い方に忸怩たる思いだろう。「爽やか」と言う言葉も本来は秋の季語だ。写真は有明ガーデンである。2020年に完成した新しい街だ。この日は近くの有明西学園で俳句授業があったので、久しぶりに訪れた。最寄りの駅はりんかい線の国際展示場前。そこから歩いて10分ほどで入口に辿り着く。ゆりかもめの駅からも近い。周辺には3000戸を超すマンション群があるが、中核は200店舗を数えるショッピングモールである。

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晴れわたる五月の地下のラビリンス

ラビリンスとは迷宮のことである。世の中には不思議なことが色々ある。先日の朝元住吉の駅で妙齢のご婦人から「おはようございます」と声を掛けられた。一体誰なのかどうしても思い出せない。今日の朝も同じことがあった。これは世の中が不思議なのではなく、ぼくの頭の中が迷宮になってしまっているのかもしれない。練馬区の学校から呼ばれて、研修会に赴いた。「乗換案内」を使って、乗換駅を慎重に確認したにも関わらず、間違えて違う路線に乗ってしまった。最近の電車、特に地下鉄の路線は実にわかりにくい。正に迷宮。駅もそうだ。渋谷駅はその典型。自分がどこにいるのか、通路がどこに出るのか、さっぱりわからない。