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俳句フォトエッセイ

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小満の朝定食は松屋かな

「小満」は二十四節気の一つで、今の暦では五月二十日頃に当たる。草木が育ち、天地に満ち始めるという意味だ。吉野家の牛丼を最初に食べたのはいつだったか?すっかり忘れてしまったが、当時から松屋は吉野家の競争相手だったと思う。松屋で美味いと思ったのはカレーライスだ。330円(当時)でこんな美味いカレーが食べられるのかと感動した。確か上野の不忍通り沿いの店だった。松屋も吉野家も今はどこの街にもある。牛丼は、今や国民食だ。吉野家が牛丼に徹している(かのように見える)のに対して、松屋は焼肉定食などメニューが豊富な印象がある。

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ことごとく傾げる松や南風吹く

今日は雨とあきらめていたら、運のいいことに止んでいた。今日は加藤学園での授業がある日。沼津だ。それなら、と早めに家を出た。沼津の御用邸記念公園に行くためだ。記念公園というのだから今は御用邸はない。案内板を読むと、昭和44年に沼津市に貸与されたとある。すると持ち主はまだ宮内庁なのだろう。元々は旧皇室の夏の別邸だった。昭和天皇も幼い時に70日滞在したとある。100室以上の部屋のある本邸は空襲で全て焼け落ちてしまったが、東別邸と西別邸は残っている。これがなかなかのものだ。入場料410円を払う価値は十分にある。居間のテーブルの上に投球盤があった。子どもの頃ぼくもこの遊びをしたと懐かしかった。

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文学はまだまだ死なず蟻無蔵

友人から「東京ビッグサイトに来ないか」と誘いを受けた。何の予定も無かったので、いそいそと出掛けた。大井町で乗り換えてりんかい線に乗る。「国際展示場前」で降りる。乗客の大部分も降りた。ほとんどがビッグサイトに向かっている。イベントの名前は「文学フリマ東京40」文学作品展示即売会である。ビッグサイトの南1〜4ホール全体を使う大イベントだ。出店数は2750。入場料は1000円。リストバンドをつける。13時前後に当日券で入場したぼくの番号は12754。前売りもあるだろうし、総入場者数は少な目に見積っても2万人を超えるだろう。たった一日5時間だけのイベントだ。

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薄暑めく千客万来露天風呂

江東区立豊洲小学校の俳句教員研修会の日だった。先日届いたダウン誌深川の今号もの特集「海の見える公園さんぽ」を見ていた。魅力的な公園が紹介されている。まずは海の森公園。この3月に開園したばかりだ。広さは東京ドーム13個分というから半端ではない。行ってみたいなと思ったが、些か遠い。豊洲ぐるり公園ぐらいなら、午後からの研修会に間に合いそうだ。このタウン誌深川は、すでに283号。江東区の魅力を余すところなく伝えているダウン誌だ。特集だけではない。新進俳人の西村麒麟氏のエッセイから始まり、地元の町会を巡る記事があると思えば、久染健夫さんの「江戸名所図会」の連載は83回を数える。

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降るほどに緑の影の広がりぬ

地下鉄有楽町線の辰巳駅を降りた。5月の気持ち良い日差しが降り注いでいた。橋の向こう側には高層のマンション群が巨大な姿を見せている。江東区立第二辰巳小学校は辰巳駅からすぐだ。江東区内でも最も交通の便の良い学校の一つだ。ぼくがこの学校に転勤になったは、44年前だった。当時は交通手段は、都バスしかない陸の孤島のような学校だった。正に「地の果てアルジェリア」だった。雪が降るとその都バスが止まる。東西線の木場駅まで雪の中を一時間近くかけて歩いた。埋立地のゴミ処分場にハエが大量発生し、ハエトリ紙を教室にぶら下げたこともあった。しかし、である。開校5年にも満たない若い学校で伝統がない分自由だったのだ。

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雨しとど黄金週間最終日

今年のゴールデンウィークは、有休を取れば最長11連休になるという。確かにこれだけあれば存分に遊べる。しかし、教員だったぼくには「有休をとれば」という考え方か馴染まない。学校はカレンダー通りに運営される。連休の合間は休みにはならない。子どもたちは学校に登校するのだ。教員も休むわけにはいかない。そこで、はたと考える。大人には「有休」があるが子どもにはない。「勉強は義務だから」かもしれないが、子どもだって、時々は休みたくなるのではないだろうか。子どもにも「有休」があったら学校もいくらかは息が抜ける場になるのではあるまいか。ぼくは連休に旅行に行ったことがない。

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戦(そよ)ぎたる風見上ぐれば竹の秋

4月27日の俳句フォトの会「王禅寺吟行会」はスタッフを含めて参加者17名。これまでで最大規模の吟行会になった。天候にも恵まれた。絶好の吟行日和である。吟行は雨が降ってもそれなりの風情がある。どんな天気になっても構わないのだが、やはり晴れた方が気持ちが良い。俳句などできなくても歩いているだけで楽しいからだ。集合地点の柿生駅で奇跡が起きた。案内役をお願いした白井先生と参加者のMさんが偶然にも高校の同級生だったのだ。50年ぶり!正に感動のご対面である。王禅寺の新緑の楓は見事だ。そして風に戦ぐ竹林。生まれて初めて「竹の秋」を実感ができた。

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聖五月バーテンダーといふ勇姿

兼子崇志さんのnoteを読んでいたら、突然ぼくの「小山正見」という名前が出てきた。どうやら褒められているらしい。早速兼子さんに連絡し、転載の許可を頂いた。兼子さんは、今は銀座でバーテンダーをされている。何だかお洒落だ。そして、本業には作家だ。さらにお洒落だ。知り合った時は介護関係の業界紙の記者をされていた。句集『大花野』を取材して頂いた。しかし、彼は自分の人生を歩むと決めて、職を辞し小説を書くためにバーテンダーを選んだのだ。勇気ある選択だと思う。こういう勇気ある人の話は面白いに決まっている。だから目についた時はできるだけ読むようにしている。そして出会ったのが以下の文章である。

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残雪や神の在(ま)します富士の山

新幹線の中から撮った富士山である。こう見ると、確かに霊験あらたかという感じがする。今日は沼津だ。加藤学園の高校生に俳句を教える。数年前から呼ばれ、2年生に俳句や俳句フォトを教えている。素直で熱心なので、すぐにこちらの意図を察して合わせてくれる。今日の授業も大成功だった。俳句フォトを全員が作り、全員の評をし終わった瞬間に終わりのチャイムがなった。ぼくの授業はかなりのテンポなのだが、担当のN先生がぼくの授業を見事に支えてくれている。成功するのはそのおかげだ。どんな具合に加藤学園の授業が始まったのか忘れたが、僕にとっては楽しい年間行事の一つになっている。沼津と言えば、沼津漁港だ。