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カップル

俳句フォトエッセイ

秋灯し東京駅のウエディング

東京駅の前である。秋雨の合間を縫って、結婚式の写真の前撮りが行われていた。何組ものカップルが順番待ちをしている。この光景だけを見ていると、「少子化」という現実が信じられないほどだ。しかし、日本の少子化は凄まじい勢いで進んでいる。昨年の出生数は約67万人。前年に70万人を割り込み、さらに過去最少を更新した。子どもの数が最も多かった時と比べると、約75%減ったことになる。このまま減少が続けば、日本の人口は100年後には3千万人台になるという推計もある。極端にいえば、日本という国の行く末さえ案じられる。出生数の減少の背景には、若者の未婚化・晩婚化があるといわれている。

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爺婆のカップルばかり稲の秋

寺家ふるさと村のレストラン「寺家乃鰻寮」にいる。献立は、鰻が中心だが、天ぷらや蕎麦もある。この日のサービスランチははまちの漬け丼だった。鰻重は流石に高いので、その半分ほどの値段の「鰻丼」を食べることにした。久しぶりの鰻だ。昼時とはいえ、バス停からも離れているのに、次々に客が入ってくる。その客がほぼ例外なく、年配のカップルなのだ。平日の昼間にこうやってデートを楽しんでいる年配の仲の良い夫婦もそれなりにいるのだ。なんだかほっこりした気分になる。9月20日(日)に俳句フォトの会の吟行を「寺家ふるさと村」で実施することになっている。この日は、その実地踏査というわけだ。

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梅雨空や恋人たちは手を繋ぐ

うっとうしい梅雨空が続いていたある日、駅に向かう人の列を見ながら妙なことを考えた。傘を差しながら手を繋いでいるカップルがいたからだ。普段でも普通に手を繋ぐカップルは多い。恋人同士や夫婦なのだろう。微笑ましく、ロマンチックな光景である。時には、歳とった老夫婦が手を繋いでいる風景を見ることもある。考えてみれば、男女(オス・メス)が手を繋ぐ動物はヒトだけではあるまいか。直立歩行で両手が自由に使えるからか。猿だって、毛繕いはするだろうが、手を繋ぐ猿なんて見たことがない。先日、YouTube「大花野チャンネル」の収録では、句集『大花野』の中の一句《手を繋ぎ祭の中を彷徨す》を取り上げた。

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夜桜を見ようと君を誘つた日

そんな日もあったが今日は一人だ。光明泉の炭酸泉に浸かった後、目黒川沿いに出る。そろそろ、お花見も終わりに近づいている。身動きができないと言うほどではない。しかし、若いカップルやグループの声があちらこちらから聞こえる。照明が明るいところは、焼きそばやたこ焼き、飲み物などの屋台だ。お洒落なカフェや飲み屋もあるが、ビールを片手に路上に座り込んでいる人たちも多い。橋の上には、「立ち止まらないでください」という貼り紙が何枚も貼られている。ピーク時はそれほどの人で埋まるということだろう。目黒川の夜桜は幻想的ですらある。一人の花見は、どことなくもの足りない。

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花の昼五山第一建長寺

2日前の浅草の桜は満開に程遠かった。そんなわけで、鎌倉の桜にもあまり期待していなかった。バスの中から見た若宮小路の桜もさほどでない。だから度肝を抜かれた。見事な桜だ。建長寺の山門をバックに咲き満ちている。取り敢えず一礼をして春の寺あまりの見事さに開いた口が閉まらない。見ると道端に君が代で歌われるさざれ石がある。見たものを何でも句に詠んでいく。枝垂れたる桜の下のさざれ石満開と見えた桜には、よく見るとまだまだ蕾が残っている。満開もまだまだ咲くといふ桜目を周囲にやる。建長寺にはいろいろな建物があり、それぞれの道が続いている。専門道場と書かれた道の奥には桜の木は一本もない。