俳句フォトエッセイ2026.10.07秋灯し東京駅のウエディング小山正見東京駅の前である。秋雨の合間を縫って、結婚式の写真の前撮りが行われていた。何組ものカップルが順番待ちをしている。この光景だけを見ていると、「少子化」という現実が信じられないほどだ。しかし、日本の少子化は凄まじい勢いで進んでいる。昨年の出生数は約67万人。前年に70万人を割り込み、さらに過去最少を更新した。子どもの数が最も多かった時と比べると、約75%減ったことになる。このまま減少が続けば、日本の人口は100年後には3千万人台になるという推計もある。極端にいえば、日本という国の行く末さえ案じられる。出生数の減少の背景には、若者の未婚化・晩婚化があるといわれている。最近の調査では、「結婚するつもりはない」という回答が35%にのぼるという。結婚をためらう理由としては、「収入への不安」を挙げる人が多い。さらに、「結婚はリスクだ」と捉える風潮も広がっているらしい。結婚しないことも一つの生き方ではある。しかし、どんな人生にもリスクは向こうから勝手にやってくる。ただ一度の人生、リスクがあるからこそ面白いのではないか。爽やかな秋の風が吹き抜ける。背景には、東京駅のやさしい灯がともる。花嫁の輝く笑顔、花婿の嬉しそうな表情。こんな幸福の絶頂を味わえることも、人生の醍醐味であろう。27歳で亡くなった女優・夏目雅子は、《結婚は夢の続きやひな祭り》という句を残している。都政新報9/15付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」48この句の季語秋秋灯しあきともし秋の夜の灯火。夜長の静かな明かり。「秋灯し」の俳句フォトをもっと見る(2句)俳句フォト歳時記
東京駅の前である。秋雨の合間を縫って、結婚式の写真の前撮りが行われていた。何組ものカップルが順番待ちをしている。この光景だけを見ていると、「少子化」という現実が信じられないほどだ。
しかし、日本の少子化は凄まじい勢いで進んでいる。昨年の出生数は約67万人。前年に70万人を割り込み、さらに過去最少を更新した。子どもの数が最も多かった時と比べると、約75%減ったことになる。このまま減少が続けば、日本の人口は100年後には3千万人台になるという推計もある。極端にいえば、日本という国の行く末さえ案じられる。
出生数の減少の背景には、若者の未婚化・晩婚化があるといわれている。最近の調査では、「結婚するつもりはない」という回答が35%にのぼるという。
結婚をためらう理由としては、「収入への不安」を挙げる人が多い。さらに、「結婚はリスクだ」と捉える風潮も広がっているらしい。結婚しないことも一つの生き方ではある。しかし、どんな人生にもリスクは向こうから勝手にやってくる。ただ一度の人生、リスクがあるからこそ面白いのではないか。
爽やかな秋の風が吹き抜ける。背景には、東京駅のやさしい灯がともる。花嫁の輝く笑顔、花婿の嬉しそうな表情。こんな幸福の絶頂を味わえることも、人生の醍醐味であろう。27歳で亡くなった女優・夏目雅子は、《結婚は夢の続きやひな祭り》という句を残している。
都政新報9/15付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」48