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俳句フォトエッセイ

ああ暑い旅の決め手は温度かな

耐え難いような炎暑だ。梅雨が明けて空気が一気に変わった。熱中症の患者が急増するのもわかる。駅のポスターに長野県/野辺山26.4℃とあった。青森県酸ヶ湯は23.1℃だ。実に明快なキャッチコピーだ。子育ての時期は家族でよく旅行をした。海よりも山が多かった。子どもたちが大きくなってからは妻とよく出かけた。蓼科や車山高原、立山方面にも足を伸ばした。原村のペンションにも繰り返し泊まった。確かに暑かった記憶はない。みどりに囲まれて至福の時を過ごした。あの頃は、涼しさを求めて行った記憶はない。何か目的があり、その副産物としての涼しさがそこにあった。今年なら涼しさだけを求めて行くかもしれない。

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思ひ出の詰まる校舎やカンナ咲く

「もうカンナか!」カンナの葉とはこれほど美しかったのか。見惚れる思いだ。その向こうに見えるのは八名川小学校の校舎だ。今年開校110年を迎える。ぼくは、赴任してからこの学校で6年を過ごした。その最初の年のトピックは「学習塾」との連携だった。珍しかったのだろう。これが大きく新聞に取り上げられた。裏を明かせば、算数の指導をしてくれる適当な先生がいなかっただけの話だ。「昼間は時間が空いていて、算数の指導ができる人はどこかにいないか?」そしてたどり着いたのが塾の先生だった。条件にぴったりだ。これが「塾との連携」とになった訳だ。記事の見出しはセンセーショナルだったが、内容はかなり正確に書いてくれた。

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初夏の狗尾草の毛の気配

数年前までは、農地だった土地だ。今は、すっかり放置されている。毎週ぼくはここを通るが、見ると狗尾草が繁茂している。狗尾草は、秋の季語だ。しかし、秋になって生えてくるというわけではないのだ。狗尾草は、俳句授業の良い教材である。形が面白いし、揺れる。遊び道具にもなる。しかも身近にあり、親しみやすい。薔薇の花を授業に持ち込むには、お金がかかるが、狗尾草ならそこら中に生えている。道路端に生えている何本かを引き抜いても誰にも文句が言われない。もう穂を伸ばしているとは!かつて本で読んだことがある。人の目は出始めの頃のデジタルカメラぐらいの性能でしかない。

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招かれて俳句の授業百千鳥

今年度も終わりに近い。江東区教育委員会を退職して、まる3年になる。にも関わらず、各地の学校から「俳句の授業に来てほしい」との声をかけてもらえる。実に嬉しいことだ。中には「先生の授業を若い先生に見せたいから」というものもある。自分で言うのも何だが、最近は子供と触れ合う「呼吸」が、自然になってきたと感じる。しかし、若い時はそうではなかった。学級経営がうまくいかず、学校を辞めたいと思ったことも一度や二度ではない。学級崩壊状態に陥り、気が変になりそうになったこともある、それがどこで変わったのか。自分でもよくわからない。しかし、管理職になって考え方が変わったのが大きいとぼくは思っている。