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微笑ましい

俳句フォトエッセイ

梅雨空や恋人たちは手を繋ぐ

うっとうしい梅雨空が続いていたある日、駅に向かう人の列を見ながら妙なことを考えた。傘を差しながら手を繋いでいるカップルがいたからだ。普段でも普通に手を繋ぐカップルは多い。恋人同士や夫婦なのだろう。微笑ましく、ロマンチックな光景である。時には、歳とった老夫婦が手を繋いでいる風景を見ることもある。考えてみれば、男女(オス・メス)が手を繋ぐ動物はヒトだけではあるまいか。直立歩行で両手が自由に使えるからか。猿だって、毛繕いはするだろうが、手を繋ぐ猿なんて見たことがない。先日、YouTube「大花野チャンネル」の収録では、句集『大花野』の中の一句《手を繋ぎ祭の中を彷徨す》を取り上げた。

俳句フォトエッセイ

星涼しミラーボールの回る空

友人で詩人の服部剛さんの出演するライブが行われた。会場は、何と元住吉。綱島街道を渡ったところのPowers2である。こんなところにライブハウスがあるのにもびっくりしたが、それ以上に愉快だったのは、ライブの題名である。「核兵器はいらない。第2回世界玉こんにゃく協会世界大会」というのだ。主催は、ドリアン助川さん。知る人ぞ知る作家、詩人、歌手、大学教授である。著書『あん』は20以上の言語に訳され、樹木希林さん主演の映画にもなった。この夜の出演者は、服部剛さんの他に、ロックのユニットはんぺんブラザーズ、詩人の稀月真皓さん、それにドリアン助川さんの4組である。

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意味もなくボール持つ手や春の午後

校庭に脚を踏み入れると、子供たちの甲高い声が響いていた。もう、新学期が始まったのだ。学童保育の子供たちだろう。無邪気な元気さが微笑ましい。駆け回るのが楽しくてたまらないという感じだ。地元の小学校に俳句の授業の打ち合わせで訪れた。桜の木に緑が増え始めたと思ったら、もう花水木がしっかり花をつけている。銀杏が小さな葉を無数につけている。打ち合わせの時間まで、少し余裕があったので、遊んでいる子供たちを眺めていたら、一人の男の子が、ぼくのそばに来て「誰?」と聞いてから、気がついたように「あっ、俳句の先生だ」と言う。去年教えた子がぼくの顔を覚えていたのだろう。「ねぇ、俳句作って!」

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招かれて俳句の授業百千鳥

今年度も終わりに近い。江東区教育委員会を退職して、まる3年になる。にも関わらず、各地の学校から「俳句の授業に来てほしい」との声をかけてもらえる。実に嬉しいことだ。中には「先生の授業を若い先生に見せたいから」というものもある。自分で言うのも何だが、最近は子供と触れ合う「呼吸」が、自然になってきたと感じる。しかし、若い時はそうではなかった。学級経営がうまくいかず、学校を辞めたいと思ったことも一度や二度ではない。学級崩壊状態に陥り、気が変になりそうになったこともある、それがどこで変わったのか。自分でもよくわからない。しかし、管理職になって考え方が変わったのが大きいとぼくは思っている。