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百均と呼ばれし店のしゃぼん玉

小山正見

元住吉にあった住吉書房がなくなってから1年半ほどが経った。1階には、ドラッグストアがすぐに入った。しかし、2階は開いたままだった。そこにようやく店が入った。Seriaである。ぼくは知らなかったが、大垣に本社がある「百均」の店だとわかった。全国に2000以上の店舗を持つという。
元住吉には文房具屋もないが、百均に行けばだいたいの事務用品が揃うので安心である。
ワインパーティを企画した時、ワイングラスをどうするか悩んだ。「まさか、紙コップというわけにはいかない」。そこで思い浮かんだのが百均だ。1つ100円のガラスのワイングラスが売られていたのには、感激した。
元住吉Seriaに入ると、すぐにおもちゃがぶら下げられている。風船や水鉄砲、それにしゃぼん玉などが並んでいる。
しゃぼん玉は、俳句の授業をするときの僕の武器の一つである。しゃぼん玉そのものが季語になっているからだ。
俳句を頭の中だけで作るのは難しい。実物を見るとイメージが湧き俳句が浮かびやすい。本当は植物を持ち込んだ方が良いのだが、ものぐさなぼくにはなかなか難しい。もっとも、秋には猫じゃらしを持っていくが。
しゃぼん玉の教材としての良さは、簡単に百均で手に入れられることに加えて、絶えず動き、変化することだ。大きさもさまざまだ。風に乗って飛んでいくものもあれば、すぐ割れてしまうものもある。上に行ったり、下に行ったり、太陽の光を浴びて光ったりもする。
ある一年生は、

しゃぼんだままあるいかたちでとんでいく

と詠んだ。しゃぼん玉が丸いのは当たり前だが、改めてその丸さを発見したのである。
しゃぼん玉は子どもたちの表現を引き出す宝庫のようなものだ。しゃぼん玉は春の季語なので、そろそろ使い納めだ。代わりに何を使おうか。水鉄砲もいいかもしれない。
八名川小学校にいたA君の俳句を思い出した。

水鉄砲うらぎらなくちゃつまらない

今年も俳句の授業が始まる。今年は、どんな季語を教室に連れて行こうか。