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人がみな我よりはやく歩く春

小山正見

石川啄木の歌集『一握の砂』に
《友がみな我より偉く見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ》の一首がある。
句はこのパロディでもあるが、実感でもある。
朝、我が家から東急の元住吉駅まで、歩く。行き慣れた道だ。
しかし、最近気づいたことがある。人が皆ぼくを抜いていくのだ。
ぼくとしては、一生懸命に歩いているつもりなのに、平気で追い抜かす。
足が短いのか、回転が遅いのかどんなに頑張っても追いつかない。
病院の栄養相談に行くと、筋肉量の測定器に乗せられる。結果、足の筋肉量が標準以下だと言われた。
駅では、エスカレーターに乗らず歩いて上がるように努めてきた。歩く量は以前より減ったとはいえ、平均9千歩は歩いている。
筋肉量はただ歩いであるだけでは、維持できないとも聞く。やはり、チョコザップにでも通って筋トレでもしないとダメなのか。
そんな愚痴をこぼしていたら、ある若い人が、
「先生はもうそんなにあくせく歩く必要はないんですよ。悠々と歩いてください。」
と言ってくれた。何だか、目が醒まされたようで、この言葉に、妙に感心した。
最近の若い人はいいことを言う。