俳句フォトエッセイ2025.11.21凄まじき昭和の香り十三夜小山正見東京の街はどんどん変わっていく。にも関わらず、各所に昭和という場所が残されている。例えば谷中が人気があるのもそうした理由があるのかもしれない。さて、十三夜である。「十三夜」は、中秋の名月の次の月、陰暦で言えば9月13日の月を指す。別名を「栗名月」「豆名月」「後の月」などと言う。十五夜は中国から伝わった習慣だが、この「十三夜」は日本独自の風習だそうだ。平安時代からの風習で、栄花物語に宇多法王が月見の宴を開いたという記述があり、これが最初だという。直に当たったわけではないので本当のところはわからない。さらに次の月の十日の月(とうかんやのつき)と言うのもあるらしい。子どもたちに俳句の授業をする時、「十五夜のことをなぜ十五夜と言うの?」と投げかけたりする。今は太陽暦なのでキョトンとしている。カレンダーを指差して、「今日は5日だよね。なぜ5日と言うの?」これは太陽のぼって沈み5回目ということだと説明する。次は「11月ってどう言う意味?」こんな風にして陰暦に導く。「一日」を「ついたち」と読むでしょう。これは「月立ち」という意味だよ」などと知ったかぶりをすると、クラスの担任の先生も感心して聞いてくれる。それにしても十三夜の月を愛でるとは、日本人の精神は奥深い。
東京の街はどんどん変わっていく。にも関わらず、各所に昭和という場所が残されている。例えば谷中が人気があるのもそうした理由があるのかもしれない。
さて、十三夜である。
「十三夜」は、中秋の名月の次の月、陰暦で言えば9月13日の月を指す。別名を「栗名月」「豆名月」「後の月」などと言う。
十五夜は中国から伝わった習慣だが、この「十三夜」は日本独自の風習だそうだ。
平安時代からの風習で、栄花物語に宇多法王が月見の宴を開いたという記述があり、これが最初だという。直に当たったわけではないので本当のところはわからない。
さらに次の月の十日の月(とうかんやのつき)と言うのもあるらしい。
子どもたちに俳句の授業をする時、
「十五夜のことをなぜ十五夜と言うの?」
と投げかけたりする。今は太陽暦なのでキョトンとしている。
カレンダーを指差して、
「今日は5日だよね。なぜ5日と言うの?」
これは太陽のぼって沈み5回目ということだと説明する。
次は
「11月ってどう言う意味?」
こんな風にして陰暦に導く。
「一日」を「ついたち」と読むでしょう。これは「月立ち」という意味だよ」
などと知ったかぶりをすると、クラスの担任の先生も感心して聞いてくれる。それにしても十三夜の月を愛でるとは、日本人の精神は奥深い。