俳句フォトエッセイ2025.07.15向日葵の東を向きて枯るるまで小山正見向日葵がすでに大きな花を付けている。青山フラワーマーケットで売られている小さな向日葵は、本当に向日葵なんだろうか。マンションサイズの品種改良がなされているのだろう。犬と同じだ。可愛らしいが、あまり好きになれない。巨大な花をつけ、ぼくの身長を超すようなものでないと向日葵とは感じられない。向日葵は、お日様の方に顔を向けて回るから「ひまわり」という名があると信じられてきたが、それが違うことを『ヒマワリはなぜ東を向くか』(滝本敦著 中公新書)という本で教えられた。その本を思い出して書けば、太陽の方を向くのは向日葵の大きな葉っぱである。光合成をするのだから当然と言えよう。花が一方を向くには理由がある。花がずっと太陽の方を向いていると花が暑さでダメになってしまうからだという。納得する。東を向くのにも理由がある。夜の間についた朝露を朝の太陽の光で乾かすという意図なのだと言う。西ではダメなのだ。うまくできているものだ。向日葵の花が一斉に同じ方向を向いている写真を、ぼくは今までも何枚も見ているが、記憶にある一番最初は、映画「ひまわり」だったように思う。多くの人はご存知だが、この映画は1970年に公開されたイタリアとフランスの合作映画だ。戦争によって引き裂かれた愛を描いた映画の傑作である。主演は、ソフィア・ローレンだった。ぼくにとっては愛の儚さを感じさせる映画だった。ヘンリー・マッシーニによるテーマ曲「ひまわり」(Lose of Love )は哀愁を帯び、ぼくは何度も繰り返し聴いた。 この舞台はソ連とばかり思っていたが、今考えればウクライナである。何とも言いようがない。向日葵は散らない。枯れて亡霊のようになるまで立ち尽くす。これも紫陽花と同じ理屈だ。花だと思うものは実は萼(がく)だからだ。
向日葵がすでに大きな花を付けている。
青山フラワーマーケットで売られている小さな向日葵は、本当に向日葵なんだろうか。マンションサイズの品種改良がなされているのだろう。犬と同じだ。可愛らしいが、あまり好きになれない。
巨大な花をつけ、ぼくの身長を超すようなものでないと向日葵とは感じられない。
向日葵は、お日様の方に顔を向けて回るから「ひまわり」という名があると信じられてきたが、それが違うことを『ヒマワリはなぜ東を向くか』(滝本敦著 中公新書)という本で教えられた。
その本を思い出して書けば、太陽の方を向くのは向日葵の大きな葉っぱである。光合成をするのだから当然と言えよう。
花が一方を向くには理由がある。花がずっと太陽の方を向いていると花が暑さでダメになってしまうからだという。納得する。東を向くのにも理由がある。夜の間についた朝露を朝の太陽の光で乾かすという意図なのだと言う。西ではダメなのだ。うまくできているものだ。
向日葵の花が一斉に同じ方向を向いている写真を、ぼくは今までも何枚も見ているが、記憶にある一番最初は、映画「ひまわり」だったように思う。
多くの人はご存知だが、この映画は1970年に公開されたイタリアとフランスの合作映画だ。戦争によって引き裂かれた愛を描いた映画の傑作である。
主演は、ソフィア・ローレンだった。ぼくにとっては愛の儚さを感じさせる映画だった。
ヘンリー・マッシーニによるテーマ曲「ひまわり」(Lose of Love )は哀愁を帯び、ぼくは何度も繰り返し聴いた。
この舞台はソ連とばかり思っていたが、今考えればウクライナである。何とも言いようがない。
向日葵は散らない。枯れて亡霊のようになるまで立ち尽くす。これも紫陽花と同じ理屈だ。花だと思うものは実は萼(がく)だからだ。