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恐らくは未央柳(びようやなぎ)と思ひたり

小山正見

空はすっかり梅雨の様相になっている。道端の紫陽花がますます色付いてきた。紫陽花の青は、梅雨空に美しく映える。
しかし、この時期に美しいのは紫陽花ばかりではない。
山帽子や梔子(くちなし)などの花の白も印象的だ。
山法師は「白」とばかり思い込んでいたら、葉と同じような薄緑色の花もあると知った。

白よりも水浅葱なる山法師  正見

梔子は、一重も八重もある。白一色も美しいが、朽ちかけて茶色が混ざった花の方が風情を感じる。「くちなしの花」と言えば、ぼくにとっては渡哲也だ。若い子はまるで知らない。
https://music.youtube.com/watch?v=0Vp7ffJpr3Q&si=x_mY02uAdZ5trcMU
いい歌だ。
この時期、見渡すと白い花は多い。白い紫陽花も増えた。十薬も白だ。きれいな花なのに「どくだみ」の名で損している気もする。
黄色の花と言えば、この未央柳(びようやなぎ)と金糸梅だろう。なかなか見分けがつかないが、しべが長く伸びているのが未央柳である。
確かめようと思って、Google先生で検索してみた。すると西洋オトギリ草と出てくる。親類であるのは間違いないが、花だけを写真で見ると見分けがつかない。
ぼくが間違えているのか、Google先生が間違えているのか、?????である。
先生も時々間違える。そして間違えた方がいい。
かつて、自分が教師だった頃、
「太陽は東から出て、西に沈むよね。でも月は西から出て東に沈むでしょう。」
と子どもたちに話したら、誰一人疑問を挟まなかった。月の位置は日によってまちまちだから、動き方がわからないのだ。人はこうやって騙されるのだということは教えた方がいい。(笑)
話が妙な方向にズレた。
紫陽花だけでなく、未央柳も金糸梅も山法師も梔子も、この国の六月はなかなかに美しいのである。