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新春の川崎港を一望す

小山正見

 川崎駅からバスで約30分。工場街を抜け、海底トンネルをくぐった先に川崎マリエンはある。
 地上51メートルの展望台から川崎港を一望できる建物だ。川崎は、この港から世界につながっている。
 川崎マリエンは、姿が見えにくい川崎港の役割を市民に理解してもらうことを目的に建てられたものだ。
 マリエンとは、海を意味する「マリン」と「エントランス」(玄関)をつなぎ合わせた造語である。
 その周りは公園になっており、テニスコートなどが広がっている。
 展望台のすぐ下には輸出用の自動車が並んでいる。川崎港はどうやら自動車メーカーSUBARU(スバル)の有力な積み出し港になっているらしい。
 コンテナターミナルも見える。巨大な怪獣のようなクレーンが仕事を待っている。
 川崎港の最大の特徴は大量の原油やLNG(液化天然ガス)などを扱っている点にある。
 貨物取扱量は国内10位程度にとどまるが、油関係に絞ると、かなり上位に跳ね上がる。川崎港はまさに京浜工業地帯を稼働させるエネルギー補給基地なのである。
 マリエンがある東扇島一帯はすべて埋め立て地だ。
 100年前のこの辺りは遠浅の海と干潟だった。海辺には小さな漁村と小さな船着き場があるだけだった。
100年後、私はこの場所に立てないが、川崎港はいったいどのように変わっていくのだろうか。
 そんなことを考えながら、マリエンの展望台で新春の日差しを楽しんだ。
 羽田空港を飛び立つ飛行機がひっきりなしに横切る。東京湾が広がり海面が煌(きら)めいている。房総半島まではっきり見える。夜には工場の夜景がきれいだろう。

東京新聞川崎版1/11付 「小山正見のかわさき俳句フォト」です。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/461276