俳句フォトエッセイ2025.06.14梅雨晴れ間縄文人にまみえたり小山正見上野駅で降り、上野公園への階段を上る。かつてこの場所には、似顔絵描きのキャンバスが並んでいた。テレフォンカードを売り買いする外国人がいたこともある。今は静かだ。広場に向かう桜並木はすっかり葉桜になっている。公園の広場では、フィリピンエキスポ2025というイベントが行われていた。屋台が並び、5人組の女の子のグループが舞台でマイクを握っている。しかし、それを見に来たわけではない。国立科学博物館(科博)の「古代DNA-日本人のきた道-」と題する特別展が目的である。科博に勤めている友人に招待券をいただいている。見逃す手はない。「我々はどこから来て、どこに行くのか」これは、人類にとって根源的な問いである。今回の科博の企画は、その根本命題に迫る研究成果が含まれている。それが、DNAとゲノムの解析だ。この技術が急速に進化したことから、人類(ホモサピエンス)がアフリカ大陸からどのように地球上に広がったのかがわかるようになった。それは、日本人の起源をも解き明かした。これまでの常識では、ホモサピエンスは、ネアンデルタール人とは全くの別種と考えられていたが、実は、交雑があり、現在の日本人も1〜4%ほどネアンデルタール人のDNAを持っていることが証明されているという。今回の展示は、縄文人と弥生人との関係を明らかにすることが目的のように思えたが、弥生人が縄文人を戦って滅ぼしたとばかり思っていたが、(確かに戦闘という文化は縄文人にはなかったのだからそれに違いはないが)かなりの部分、交雑によって弥生人に取り込まれたらしいことがわかった。現在の日本人についても東北地方では縄文人の割合が20%、西日本でも10%あるらしい。つまり、現在の日本人は弥生人と縄文人の混血という結論になる。YouTubeで調べてみると、科学博物館館長の篠田謙一さんが、DNA解析を通した日本人の起源や人類の進化に関する研究成果をわかり易く紹介している。興味のある方には、役に立つのではないだろうか。 特別展を観た後、通常展も少し覗いて見た。ぼくは真ん中に恐竜の骨が飾ってあった昔の博物館の姿しか覚えていなかったが、規模が拡大され現代的な博物館に変わっていることに驚いた。これには、クラウドファンディングなど、民間の資金に依るところが大きいのだろう。個人が10万円以上寄付をすると、プレートに名前が刻まれるらしい。一瞬、ぼくも寄付しようかと思った。
上野駅で降り、上野公園への階段を上る。
かつてこの場所には、似顔絵描きのキャンバスが並んでいた。テレフォンカードを売り買いする外国人がいたこともある。今は静かだ。
広場に向かう桜並木はすっかり葉桜になっている。公園の広場では、フィリピンエキスポ2025というイベントが行われていた。屋台が並び、5人組の女の子のグループが舞台でマイクを握っている。
しかし、それを見に来たわけではない。国立科学博物館(科博)の「古代DNA-日本人のきた道-」と題する特別展が目的である。科博に勤めている友人に招待券をいただいている。見逃す手はない。
「我々はどこから来て、どこに行くのか」
これは、人類にとって根源的な問いである。今回の科博の企画は、その根本命題に迫る研究成果が含まれている。
それが、DNAとゲノムの解析だ。この技術が急速に進化したことから、人類(ホモサピエンス)がアフリカ大陸からどのように地球上に広がったのかがわかるようになった。それは、日本人の起源をも解き明かした。
これまでの常識では、ホモサピエンスは、ネアンデルタール人とは全くの別種と考えられていたが、実は、交雑があり、現在の日本人も1〜4%ほどネアンデルタール人のDNAを持っていることが証明されているという。
今回の展示は、縄文人と弥生人との関係を明らかにすることが目的のように思えたが、弥生人が縄文人を戦って滅ぼしたとばかり思っていたが、(確かに戦闘という文化は縄文人にはなかったのだからそれに違いはないが)かなりの部分、交雑によって弥生人に取り込まれたらしいことがわかった。現在の日本人についても東北地方では縄文人の割合が20%、西日本でも10%あるらしい。つまり、現在の日本人は弥生人と縄文人の混血という結論になる。
YouTubeで調べてみると、科学博物館館長の篠田謙一さんが、DNA解析を通した日本人の起源や人類の進化に関する研究成果をわかり易く紹介している。興味のある方には、役に立つのではないだろうか。
特別展を観た後、通常展も少し覗いて見た。
ぼくは真ん中に恐竜の骨が飾ってあった昔の博物館の姿しか覚えていなかったが、規模が拡大され現代的な博物館に変わっていることに驚いた。これには、クラウドファンディングなど、民間の資金に依るところが大きいのだろう。
個人が10万円以上寄付をすると、プレートに名前が刻まれるらしい。
一瞬、ぼくも寄付しようかと思った。