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海の綺羅広がり小春日和かな

小山正見

 「海は広いな 大きいな」という歌がある。
 風のない小春日和の海はいつまでも見ていたくなる。波の音が静かに聞こえ、鳶がゆっくり空を舞っている。
 伊豆大島の島影がうっすらと見える。太陽の光で細かな波がきらきらと光る。
 なぜ海はこんなにも人の心を和らげるのだろうか。
 これには色々な説があるようだ。
①海は命の母だから
 確かに全ての生命は海から生まれた。DNAに組み込まれた命への郷愁なのかもしれない。
②波の音のリズム
 決まった静かなリズムは、心臓の鼓動と呼応して、心を落ち着かせる。安定したリズムが関係しているのかもしれない。
③海の色の青さ
 一説によれば「青」は血圧や脈拍を下げる効果があるという。
 いずれにしても、小春日和の浜で過ごすひとときは心を洗う。
 実は、この写真の海は鎌倉である。鎌倉は、東京から一番近い観光地といってよい。鶴岡八幡宮や小町通りは観光客でごった返しているが、浜まで出る人はほとんどいない。
 新宿から横須賀線に乗ればたった1時間で鎌倉に着く。
 急がしい毎日だが、たまには足を伸ばし、海の小春を楽しんでみてはいかがだろう。

都政新報11/25付けです。