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熱風の中に涼風アウフグース

小山正見

【銭湯紀行】17
川崎 朝日湯源泉ゆいる

連載のお礼と総集編の打ち合わせに東京新聞の川崎支局に向かった。
支局長にお目にかかるのもこれが最後になるかもしれない。
支局長は丁寧にぼくを出口まで見送ってくれた。
ぼくには一つの仕事を終えた安堵があった。
「さて」
と考えた。
「そうだ、ゆいるに行こう」
ゆいるは浜川崎の近くにあるスーパー銭湯だ。結構評判が高い。川崎駅から送迎のバスもあるが、臨港バスに乗ることにした。かつて取材した大島劇場の先、鋼管二丁目で降りて歩く。
ゆいるはスーパー銭湯としては意外とコンパクトだった。
1階は食堂、2階が風呂。そして3階が休憩スペースになっている。
料金は高めだ。2時間コースだと2500円に近い。
その理由はサウナだ。アウフグースというパフォーマンスがあり、それが人気なのだ。サウナの中でバスタオルを大きく扇ぎ、熱風を送る。熱波に包まれたあと、一瞬の涼風を感じたりするのだ。
この時刻になると、お客の多くがサウナ室に集まる。他のスーパー銭湯にはない雰囲気だ。
風呂は蓬の匂う炭酸泉がいい。炭酸の泡が身体全体にまとわりつく。
しかし、この風呂は冷たい。30℃ないだろう。プール並みだ。しかし、一度入ってしまえば長湯ができる。ぼくは20分ほどは入っていたであろうか。
外気浴も気持ちよかった。
3階にある休憩室は漫画が満載。しばらく昼寝をしてから帰宅することにした。
サウナ好きの人なら一度は訪れてみたいスーパー銭湯だろう。