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限りなき色あり香あり薔薇の花

小山正見

薔薇は、おそらく世界で一番知られている花の一つだろう。薔薇の歴史を辿れば、エジプト・メソポタニアまで遡る。サン=テグジュベリの『星の王子さま』を象徴するのも薔薇である。池田理代子の漫画『ベルサイユのばら』も薔薇の名を冠していた。ぼくは、加藤登紀子がカバーして大ヒットした「百万本のバラ」が好きだ。
東京の薔薇園と言えば、旧古河庭園がまず頭に浮かぶ。洋館と薔薇の組み合わせが実に美しい。神代植物公園の薔薇園も広大だ。練馬区にも個性的な薔薇園がある。「四季の香ローズガーデン」である。都営地下鉄の終点の光が丘の駅を降り、歩いて6分ほどだ。メタセコイヤの背の高い緑に囲まれた小さな庭に薔薇が溢れている。「色彩のローズガーデン」では、各エリアが花の色で構成されている。まるで絵の具のグラデーションの中にいるかのようだ。
「香りのローズガーデン」は、ダマスクやスパイシーなど6種類の香りごとに区分けされている。水盤には薔薇の花が浮かび、ほのかな香りが漂ってくる。講習棟にはみどりの相談コーナーも設置されている。
残念ながらフェスティバルは7日で終わったが、これからはゆっくり薔薇の余韻に浸れるであろう。
津田清子の句《薔薇の園引き返さねば出口なし》を思い出した。

都政新報6/9付 「暮らしを楽しむ俳句フォト」