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駅前の音楽隊もクリスマス

小山正見

俳句では「も」という助詞は嫌われる。「も」というのは書かれていない別のものもあるということだから、曖昧になったり、もしくは主役を奪われることもあるからだ。
それは兎も角、この写真は東急線元住吉駅前にあるブレーメンの音楽隊の像である。西口のブレーメン商店街を象徴している。
商店街のイルミネーションも輝き、街は既にクリスマスムードだ。
クリスマスは、元々キリスト教の行事だけど、一部の信者さん以外、それを意識している人はほとんどいないだろう。
日本の商売人は仕掛けがうまい。平賀源内の昔からそれは始まっている。
ご存知「土用の鰻」。本当は鰻は冬場が食べどきだそうだ。従って、夏場は
売れない。どうにか夏の需要を伸ばしたい。考えた挙句のアイデアが「土用の鰻」だ。夏場に精をつける。今では夏が鰻の季節かのようにさえなっている。
近くは、バレンタインデーのチョコレートもそうだ。バレンタインデー1日で年間売り上げの20パーセントになるという報告もある。大成功の一例だろう。日本人が誰も知らなかった聖バレンタインがあっという間に広がったのだ。
もちろん失敗した試みもある。「孫の日」である。じいちゃん、ばあちゃんの財布の紐を緩めさせようと考えたらしいがほとんど不発に終わっている。
クリスマスを日本に広めたのは、昭和10年代のデパートだ。
三越、松坂屋、松屋などが年末商戦と絡めて店頭を装飾し、大キャンペーンを張った。クリスマスケーキの販売もこの頃かららしい。
戦後になって、デパートのこの戦略は一層拡大した。
ショーウィンドウ、クリスマス飾り、イルミネーション、プレゼント、ケーキ、おもちゃ、雑貨etc
ほぼ、現在の形が出揃ったと言えるだろう。
最近は少子化でクリスマス商戦も苦戦しているのではあるまいか。
まだ勤めている時、上司から「クリスマスは宗教行事だから、俳句の授業で取り入れるな」
と言われたことがあったが、笑止千万である。