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俳句フォトエッセイ

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花冷のままに一夜を過ごしたる

冬に戻ったように寒い。雨まで降っている。住吉桜は満開のまま凍結しているようだ。正に花冷である。一瞬の絶頂があり桜散るのが普通だが、頂点で止まってしまうこともあるのだ。昨年「花冷」という題の俳句の連作を所属している俳誌「梓」に出したことを思い出した。締切を1ヶ月間違えていて、催促され慌てて詠んだものだ。気分がイライラしていて、句にも影響している。

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楸邨の思ひたゆたふ春の雨

楸邨とは、俳人の加藤楸邨のことである。30代だったと思う。ぼくは楸邨の鮟鱇の骨まで凍ててぶち切らるを知り、衝撃を受けた。俳句との出逢いはこの句だったと記憶している。NPO法人季語と歳時記の会が発行する『きごさい』の最新号が届いた。季語と歳時記の会は「きごさい全国小中学生俳句大会」の運営母体である。尊敬する西川遊歩さんは、この会の副代表で共に子どもの俳句大会を運営してきた同志だ。現在は大岡信研究会の会長をされているが、一世を風靡した『地球の歩き方』の産みの親であり、若き時代にはバックパッカーとして、世界中を歩き回った伝説の人だ。

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花桃の庭にて若き爺と爺

二人とも喜寿であるが、まだまだ生きられそうな顔をしているではないか。半年ぶりの出逢いだ。昨年の秋、長野県小海町で「大花野の会」を彼は企画してくれた。恩のある友人だ。大学時代からの付き合いだから、中が抜けているとしても50年以上だ。昨日の夜、電話があった。こちらに出てきていると言う。彼の娘さん一家が南武線の沿線に暮らしている。早速会おうと言う話になった。宿河原に桜を見に行くことにした。宿河原から始まる二ヶ領用水沿いの桜並木は川崎の桜の名所でもある。この数日の「暑さ」で、桜は既に八分ほど咲いている。開花からあっという間だ。「三日見ぬ間の桜かな」とはよく言ったものだ。昼食を何処で取るか?

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ズルズルズルズルズルズルズル春の風邪

「ズルズルズル」とは何とも汚い。もう2週間になる。大垣に行っていた3日間だけは奇跡的に症状は抜けていたが、東京に戻ったら風邪の症状も戻ってきた。始まりは、2週間も前だ。喉が痛くなった。正確に言えば、喉が痛くなる予兆があった。こういう時には、ルゴールで喉を焼くとひどくならない。(商品名でいえば「のどぬーる」)しかし、今回は治らない。鼻水が「ズルズル」出る。体が重い。次の週になっても症状は変らない。寒暖差のせいかもしれない。気圧の変化も体調には影響する。仕方なく、医者に行くことにした。この30年間、ぼくはインフルエンザには無縁だった。大流行の年もあったはずだが、運良く切り抜けた。

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咲かんとす大垣城の桜かな

昨年に引き続き大垣市で行われた「高校生東西俳句決戦in大垣」に審査員として参加した。「夏の俳句甲子園に匹敵する大会にする」。実行委員会の鼻息は荒い。高校生のディベートに舌を巻いた。初見の俳句に対して、すぐさま鋭い評を加える。反論も噛み合っている。そのディベートが途切れない。能力と集中力の高さが際立っている。素晴らしい高校生の力を見せてもらった。この高校生の才能を発揮させ、その力をみんなに見せ、自信に繋げたのはこの大会があったからだ。西田拓郎先生をはじめ、準備された方々の努力に感謝したい。その感動に加えて、ぼくにとっては個人的に素晴らしいことが二つあった。一つは外山一機さんに出会えたことだ。

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美濃の春ぜつたい卵かけご飯

大垣に着いたら「ここ」と決めていた。大垣駅の1階にある美濃味匠。おにぎりやお弁当も売っているが、店内でも食事ができる。ほうじ茶が250円するのに、コーヒーは100円という変な店だ。卵かけご飯は700円だった。昨年は確か500円だったはずだ。「高校生東西俳句決戦in大垣」の審査員を昨年から仰せつかっている。昨年は寒かった。雨が降り気温は6℃しかなかった。今日は20℃はあるだろう。正に春の陽気だ。大垣の街中を歩き、大垣城に登った。大垣城は昭和11年に国宝に指定されたが、昭和20年の空襲で全焼した。現存するものは、外観をそっくりに再建された城である。ゆっくり大垣の街を歩いた。立派な黒い瓦の家が続く。

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新聞は文化の器貝殻忌

新聞をとらない人が増えた。僕はとっているが、読まない日もある。ページを捲ることすらしない日もある。ネットかテレビのニュースで済ましてしまう。それでも世の中で大筋何が起きているかわかる気がするからだ。YouTubeも情報源だが、トランプを見ればトランプ一色、大谷だったら大谷の記事しか出てこない。どんどん視野が狭くなる。久しぶりに新聞を読んだ。一面には例の「商品券」問題が取り上げられている。この記事はネットでもテレビでも見た。しかし、ページを繰ると「サイバー防御法案に携帯番号も収集対象」との記事があった。LINEのアカウントも収集対象になるとの政府の答弁だ。だんだんきな臭くなる。

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春疾風久保建英の豪快弾

風邪を引いたのか何もする気がしない。テレビをつけたらW杯最終予選、日本-バーレーン戦をやっていた。前半は、もどかしい試合展開だった。ボール保持は日本が圧倒しているが、攻め倦んでいるもどかしさが伝わってくる。後半は、圧巻だった。久保建英だ。獅子奮迅の働きだ。ドリブルで相手を抜き、シュートチャンスを作り出す。守備に戻って相手の攻撃を止める。そして、鎌田の先制弾を演出した。最後は自ら難しいシュートを決め切った。舌を巻く活躍だ。しかし、ぼくは久保のファンになるかと言えば、きっとならないだろうと思った。最近「推し」という言葉が流行っている。

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尾を立てて仔猫のじやれるバーミヤン

バーミヤンはお馴染み、スカイラークグループの中華料理店である。ジョナサンやガストもこのグループのファミリーレストランだ。ネコ型ロボットが料理を運んでくる。子ども騙しだが、何となく楽しい。その耳を触ったりするとお喋りもしてくれるそうだ。人件費の節約に役立っているのだろうか。この日は、雪谷大塚のバーミヤンで3年間続いた子ども俳句教室の打ち上げだった。一番上の子は中学3年生に、小学3年生だった子は小学6年生になる。この教室を主催しているのは、詩人の服部剛さんだ。服部さんは、キリスト者だ。長いこと、雑誌「カソリック生活」に詩を連載してきた。今は、詩誌「カナリア」の主宰でもある。

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ようやつと持ち直したるシクラメン

土曜日に唖然とした。シクラメンが完全にしなだれているのだ。慌ててジャブジャブと水をやった。今年、2回目の失敗だ。面目ない。二日間経って、ようやくここまで回復してきた。毎年11月に館林市のAさんからシクラメンが届く。それも最高級の特別に立派なやつだ。我が家ではそれから約半年間この美しさを楽しむ。父の存命中からだとすると30年は続いていることになる。父はおよそ50歳から70歳までの約20年間、館林にある関東短期大学で教鞭をとった。その時に仲良くしてくださり、父を支えてくださったのが、事務局に勤められていたAさんである。連続して講義のある時は父は館林に泊まった。