夕立過ぎ電信柱の仁王立
雨が止んだので、散歩に出た。薄暗くなりかけた空に一本の電信柱が伸びていた。僕はこの電信柱を鮮明に覚えている。小学校5年生の時だった。僕は自転車に乗っていた。突然カーブの向こうからダンプカーが現れた。避けようとした。そこにこの電信柱が立ち塞がったのだ。内輪差というやつだろう。僕は逃げ道を失い、自転車は5トン積みのダンプカーの下敷になった。僕は偶然跳ね飛ばされて、反対側の垣根の中に体ごと突っ込んだ。自転車はぐちゃぐちゃになったが、僕はかすり傷だけで済んだ。運転手が僕を背負って家まで連れてきてくれた。警察が来た覚えはないし、医者に連れて行かれた覚えもない。そういう時代だったのだろう。










