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俳句フォトエッセイ

俳句フォトエッセイ

朝曇目指すは会津美里町

東北新幹線の車中である。昨日からの雨は上がった。今日は、会津美里町のあやめ祭で俳句フォトのイベントを実施する。遠出しての俳句フォトイベントは旧中川でのあじさい祭に続き、二回目だ。今回は現地への参加は私一人だが遠隔で技術陣の支援があるので不安はない。しかしパソコンやケーブル、Wi-Fiなどの機材を持参しているので、荷物は重い。主催は会津ワイナリー会である。代表は、横山義隆さん。竹中工務店の役員であったが、東日本大震災後、福島の「除染」の仕事に尽力され、退職後ついにワイナリーを設立された方だ。私は昨年度、横山さんのご縁で南相馬市の原町第三小学校で俳句の出張授業を実施することができた。

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荒梅雨や母とおんなじモーニング

突然、母のことを思い出した。きっかけはモーニングである。このカフェの、この同じ場所に座って、母も同じモーニングを食べていたことに、思い当たった。家から歩いて約2 分ほどにある上島珈琲店である。ここは一人で暮らしていた母の絶好の居場所であった。母は93歳まで生きた。あと一ヶ月で94になるはずだった。93歳の時、母はこの珈琲店のこの席に座り、小説を書いている。「丸火鉢」と題するこの小説は母が父と出逢う前、結婚するはずだった男との関係を描き、次第に父に心を惹かれていった事情が克明に描かれている。母は戦後すぐ、親戚を頼って川崎に居を構えた。

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緑さす青山フラワーマーケット

元住吉に花屋が新たに開店する。青山フラワーマーケットだ。ブレーメン通り、駅から程近い山口時計店があったところだ。開店日は六月二八日だというから、すぐだ。ブレーメン商店街は、成功した商店街だと思う。かつては、元住吉西口商店街という名前だった。いつの間にか「ブレーメン」という洒落た名前になり、色々なイベントも開催されるようになった。今でも大盛況だ。友人が元住吉に来ると、口をそろえて「この商店街はおもしろい」という。店をきょろきょろとのぞき、買い物をして帰る。元住吉の奥まで住宅地が延び、人口が増えたことが背景にあるだろうが、商店街の努力が大きい。

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梅雨湿りブックスカフェの店仕舞ひ

久しぶりに神保町に降りた。ブングボックスという万年筆屋でインクを買う為である。かつてこの店は、青山にあった。品揃えがお洒落な店だ。インクはオリジナルである。名前は「永遠の初恋」。初恋が永遠に続くかどうかは疑問だが、確かに永遠を思わせる透き通る綺麗なブルーのインクだ。神保町に移転した時に「カルチェラタン」というインクを売り出した。名前に惹かれてこれも購入した。こちらは茶色の深い味わいのあるインクだ。ブングボックスの万年筆を手に入れて以来、文字を書くのが好きになった。自分の字が上手く見えるようになってきたから不思議だ。「弘法筆を選ばず」だが、ぼくは筆を選ぶ。万年筆は「ブングボックス」に限る。

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青芝の洋々として学舎立つ

江東区立八名川小学校である。六年間在籍した。自分にとって最後の学校だ。思い出は数限りない。学校選択制の時代、着任した当時の児童数は、百六十人。それが退職する六年後には、三百三十人を超えた。「悲願の二クラス」にもなった。廃校の危機からは完全に脱出できた。「ワンランク上の教育」とか「夏休みこどもは家庭に返さない」「江東区の子どもに新大橋は渡らせない」(中央区への越境を食い止める)など、チープなスローガンを乱発してやりたい放題だった。

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紫陽花の姿そのまま枯れにけり

いよいよ梅雨に突入した。天気予報は曇りだったが朝から雨になり、関東の梅雨入り宣言がでたということだろう。紫陽花は梅雨の時期の日本を代表する花だ。イラストだと紫陽花にかたつむりが定番だ。しかし、実際にはかたつむりは紫陽花の葉に毒があることを知っており決して食べないそうだ。それにしても、紫陽花の種類は多い。少なくても三千種以上あると言う。先日親しい友人から珍しい紫陽花を頂いた。名前は「マジカルレボリューション」と言うのだそうだ。正に革命的な美しさだ。この「マジカル」シリーズだけでも色々種類があるらしい。

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梅雨兆す森下A1出口かな

森下は、六年間勤務した江東区立八名川小学校があるところである。久しぶりに森下で降りて、八名川小以前にもこの駅で降りたことがあった事を思い出した。ベニサン・ピットという小劇場があったのだ。染物会社ベニサンが工場跡地に作った演劇アトリエだ。1985年がオープンである。客席は200未満だと思うが、印象的な芝居が次々に上演された。一つは、玉三郎が主演の「ナスターシャ」だ。舞台が客席の真ん中にあった。芝居が終わった時、玉三郎の存在感だけが残るような舞台だった。二つ目は、TPT (シアタープロジェクト東京)である。照明の使い方が絶妙な美しい舞台か特徴的だった。

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荒梅雨に門倉有希を偲びけり

荒梅雨を思わせるすごい雨だった。川崎FMのスタジオである。キャスターの宮下敏子さんは、写真のように素敵な方で声も透き通るように美しい。幾分ドキドキしながらスタジオ入りした。一曲かけるのでCDを持参するように言われていた。自宅のCDラックを漁ったら、門倉有希のCDが九枚も出てきた。一時は門倉有希の後援会に入り、会員証を持ち歩いていたこともある。門倉有希さんは、この六月六日に亡くなられた。五十歳だったと言う。キャスターの宮下さんも門倉有希をよく御存知だった。追悼の気持も込めて、代表曲の「ノラ」をかけていただいた。話の一つの中心は、句集『大花野』であった。

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水中花ロールキャベツの同じ味

この店に最初に来たのは、いつだっただろう。「アカシア」という洋食屋でロールキャベツが名物の店だ。江東区の学校での俳句研修会の帰り道、思い立って、新宿三丁目で降りた。アカシアのロールキャベツが頭に浮かんだからだ。アカシアの開店は昭和38年だが、私が初めてこの店に足を踏み入れたのは、その直後だったかもしれない。高校生の頃だ。新宿に「カチューシャ」という歌声喫茶があって、高校の仲間とよく行った。新宿騒乱事件の更に前の話だ。カチューシャは、歌舞伎町の真ん中にあったが、高校生が通えるほどだから、今ほどギンギラギンではなかったのかもしれない。

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父の日に家を買うなら川崎市

実に愉快な作品だが、この俳句フォトの作者は私ではない。中原区の市民提案型事業として始まった「みんなで楽しむ俳句フォト元住吉編第1回」でのKさんの作品である。今回のイベントへの挨拶句でもあり、写真の切り取り方も視点もおもしろい。会の趣旨にぴったりだ。参加者は、定員を超える十二人。中原区の企画課の係長さんも見学においでくださった。実はびっくりしたことがある。会の前日に中原区のタウンニュース「人物風土記」に私の記事が掲載され、同時に「俳句フォト」の告知も載った。すると、応募が殺到したのだ。早々に定員オーバーになり、あっという間に申し込みは締切になってしまった。