久々の八月納涼歌舞伎かな
「歌舞伎の一幕見を観に行きませんか」と誘いを受けた。出し物は「牡丹灯籠」だという。歌舞伎座の改築以来、一度も足を運んでいない。よく通ったのは20 年近くも前のことだ。一時は毎月のように見に行ったこともある。しかし、歌舞伎がわかっていたかというと、そうではない。踊りになると結構寝ていたことを思い出す。映画「国宝」のブームで歌舞伎座は大賑わいかと思ったが、予想外に空いていた。一幕見の天井桟敷にも空席が目立った。「牡丹灯籠」が、幽霊となっても恋を貫く話だと初めて知った。ぼくが観たのは第二場である。人間の欲がむき出しになる場面だ。女形の役者の所作に見惚れた。その途中、舞台いっぱいに雨が降り始めた。





