俳句フォトエッセイ2025.09.07 新涼の工場夜景てふ穴場小山正見 川崎駅からバスで約20分。ここは、川崎区水江町である。運河の向こう側には東亜石油や日本触媒の工場の灯(あか)りが広がっている。暗い空が燃え上がるかのようだ。 しばらく眺めていたら、後ろから足音がドヤドヤと聞こえてきた。観光バスが着いたのだ。工場に囲まれたこの場所は、今や工場夜景見学ツアーの中心になっている。 いしだあゆみさんの「ブルー・ライト・ヨコハマ」をご存じだろうか。150万枚売れた伝説的なヒット曲である。1968年発売というから今から半世紀以上前の話だ。作詞の橋本淳さんは、この曲のモチーフにしたのは「川崎の工業地帯の青白い灯り」だったと語っている。 もちろん、工場の灯りは観光のためのものではない。夜間も操業している工場の安全管理や保安上の必要に基づくものである。 工場夜景ブームに火を付けたのは、2007年の石井哲さん、大山顕さんの写真集『工場萌(も)え』だとされている。これに目を付けた川崎市が、次の年には「工場夜景ジャングルクルーズ」を開始した。11年には、「第1回全国工場夜景サミット」が川崎市主導で行われている。川崎市は「工場夜景」ブームの先駆けであり、牽引(けんいん)者なのである。 工場夜景は、一気に観光資源に躍り出た。現在でも川崎市観光の主力であることは間違いがない。毎週末には「屋形船クルーズ」のほか、観光バスによる工場夜景ツアーも行われている。横浜から出発するクルーズも運航されているようだ。車で「工場萌えスポット」を探しながら、夜の臨海部をドライブするのも一興かもしれない。 いしだあゆみさんの歌から半世紀が過ぎて、「ブルーライト」はようやく川崎に戻ってきたとも言えそうである。東京新聞川崎版「小山正見のかわさき俳句フォト」https://www.tokyo-np.co.jp/article/430682どうぞお読みください。※一つだけ計算違いがありました。ちっとも「新涼」になりません(苦笑)
川崎駅からバスで約20分。ここは、川崎区水江町である。運河の向こう側には東亜石油や日本触媒の工場の灯(あか)りが広がっている。暗い空が燃え上がるかのようだ。
しばらく眺めていたら、後ろから足音がドヤドヤと聞こえてきた。観光バスが着いたのだ。工場に囲まれたこの場所は、今や工場夜景見学ツアーの中心になっている。
いしだあゆみさんの「ブルー・ライト・ヨコハマ」をご存じだろうか。150万枚売れた伝説的なヒット曲である。1968年発売というから今から半世紀以上前の話だ。作詞の橋本淳さんは、この曲のモチーフにしたのは「川崎の工業地帯の青白い灯り」だったと語っている。
もちろん、工場の灯りは観光のためのものではない。夜間も操業している工場の安全管理や保安上の必要に基づくものである。
工場夜景ブームに火を付けたのは、2007年の石井哲さん、大山顕さんの写真集『工場萌(も)え』だとされている。これに目を付けた川崎市が、次の年には「工場夜景ジャングルクルーズ」を開始した。11年には、「第1回全国工場夜景サミット」が川崎市主導で行われている。川崎市は「工場夜景」ブームの先駆けであり、牽引(けんいん)者なのである。
工場夜景は、一気に観光資源に躍り出た。現在でも川崎市観光の主力であることは間違いがない。毎週末には「屋形船クルーズ」のほか、観光バスによる工場夜景ツアーも行われている。横浜から出発するクルーズも運航されているようだ。車で「工場萌えスポット」を探しながら、夜の臨海部をドライブするのも一興かもしれない。
いしだあゆみさんの歌から半世紀が過ぎて、「ブルーライト」はようやく川崎に戻ってきたとも言えそうである。
東京新聞川崎版「小山正見のかわさき俳句フォト」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/430682
どうぞお読みください。
※一つだけ計算違いがありました。
ちっとも「新涼」になりません(苦笑)