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「ココ」が良し「ここ」が最高梅雨明ける

小山正見

幸区河原町ハッピーロードにあるコミュニティーカフェ「メロディー・ココ」に向かった。月1回の「ココ食堂」が行われるからだ。
2年4カ月続けてきた連載「小山正見のかわさき俳句フォト」は、今回で最終回を迎える。第1回は川崎市役所の上からの富士山の写真だった。公害を克服し発展する川崎を捉えたいと考えたのだ。それから40回近く、川崎の良さをさまざまな形で伝えてきた。王禅寺の楓(かえで)や多摩川下流の干潟など、川崎の自然の美しさに感動させられた。サッカーのフロンターレやバスケットのブレイブサンダースの試合にも夢中になった。
 取材を重ねるうちに気がついたことがある。それは川崎の発展と生活を本当に支えているのが「人」だということだ。元住吉ブレーメン商店街の伊藤博さん、福祉施設「しいの実」の施設長の近松厚志さん…。生田緑地にある民家園にしても「炉端の会」というボランティアの方々に支えられている。
 「ココ食堂」には、1人暮らしのお年寄りも来れば、近所の女性グループも常連だ。小さな子供連れのお母さん方も顔を見せる。その日用意された50食はみるみるうちになくなった。子ども食堂が各地で行われているが、ここはさらに広い多世代の交流の場になっている。
 この連載を締めくくるにふさわしい人と「ココ」で出会った。伊藤三千代さんだ。彼女はスタッフと息を合わせながら、子供たちに声をかけ、女性たちとの話にも入り込んでいる。その姿がなんとも楽しそうだった。
 思わず声をかけ「なぜ続けているのか」を聞いてみた。伊藤さんは「ココ」ならみんなで相談して何でもできる、仲間がいる最高の場所だから、とほほ笑んだ。最近も若い人が「ココ」で本を通して人と人を結ぶ新たな試みを始めたという。彼女の精神が次の世代に確実に伝わり始めているのだ。街角の小さな「ここ」が、川崎の私たちの営みを育んでいることを実感した。
 私も元住吉で感泣亭という小さなコミュニティースペースを運営している。伊藤さんの背中を追いながら、小さな「ここ」を育てていきたい。

東京新聞川崎版7/12「小山正見のかわさき俳句フォト」最終回
https://www.tokyo-np.co.jp/article/500978