いつの間にか紫陽花が咲き始めている。この道にもあの道にも紫陽花がある。自分が子供だった頃、紫陽花は今ほどはなかった。気が付かなかっただけでもないような気がする。この数十年、紫陽花は飛躍的に増えたのだと思う。
AIに聞いてみたら、「面白い視点ですね」という返事で、その理由をいくつか挙げてきた。
①園芸品種の多様化と人気の上昇
近年、紫陽花の品種改良が盛んで人気が高まっている。
※確かに「ダンスパーティ」とか「隅田の花火」など新しい品種が生まれている。
②気候の影響
温暖化の影響で以前は育ちにくかった土地でも紫陽花が育て易くなった。
※それも言えるかもしれない。
③公共空間での植栽
観光資源として紫陽花を鉄道会社や自治体が積極的に植えている。例えば「あじさい電車」。
※かくちにある「あじさい寺」は人気だ。
④耐陰性と管理のしやすさ
紫陽花は、ある程度の日陰でも育ち、手入れも比較的簡単なので家庭や集合住宅の敷地でも植えやすい。
とAIはうまくまとめるものだ。ソメイヨシノが全国に急速に普及したように紫陽花も育て易く美しいことから実際に普及したのだと思う。
ぼくにとって、一番印象に残っているは長崎のグラバー邸の紫陽花である。
確か日本学校俳句研究会を結成して二年目だった。長崎にある西北小学校に仲間と出張俳句教室に出かけた。この学校は歌手のさだまさしが卒業した学校である。
授業をし、夜は先生方と交流した。
次の日は観光になった。軍艦島の廃墟に驚き、出島を歩いた。最後に訪れたのがグラバー邸だった。雨が降り、日が翳り出した。その中で見た青い紫陽花が今でもに目の裏に映る。
紫陽花の句には、
紫陽花やきのふの誠けふの嘘　正岡子規
紫陽花のパリーに咲けば巴里の色　星野椿
などがある。
渡辺水巴には「紫陽花や白よりいでし浅みどり」の句があるが、紫陽花を見て気がつくのは、紫陽花の花は周りから色づき始め次第に中心に向かうことだ。
花もどれもそうなのだろうか。花によって色づき方は違うのだろうか。