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母の日のフレンチトースト母の味

小山正見

ぼくは猛烈に好き嫌いの激しい子供だった。野菜はほぼ食べないし、卵は黄身だけ。お肉の脂身も残した。当時はまだ安かった鰻でさえ、皮の部分は取ってもらった。
そんな様子だったから、学校の給食は当然大の苦手。ところが担任の先生が厳しく、給食を残すことを許さない。
掃除が始まり、休み時間が始まっても、教室の角で一人残され、涙を流しながら給食と格闘した。
ところが、そのぼくが教師になった。
クラス会に行くと、「おい、小山!給食はどうしているんだ」と必ずからかわれた。
今も好き嫌いはなおらないが、何とか生きている。
母は料理は得意ではなかったらしい。ぼくが大人になってからのことだが、「ろくなものを作らなくてごめんなさい」と謝られたことがある。
他の家の食事を知らないから、ぼくはキョトンとしていた。そう言えば、買ってきたコロッケなども多かったように思う。天ぷらがよく出た思い出はある。決まって野菜天ぷらだったが、ぼくはさつまいもと人参の掻き揚げが好物だった。ぼくに野菜を食べさせようと思ったのか、人参を甘く煮てくれたこともあった。
その母がよく作ってくれたものがホットケーキとフレンチトーストだった。溢れるほどの砂糖を塗りたくって食べた。
糖尿病との関係もあり、ケーキや甘いものをほとんど食べなくなった今でも、ホットケーキとフレンチトーストだけはやめられない。