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深川の奥の深さや鰻食む

小山正見

鰻は大好物だ。先日はわざわざ三島まで出掛けて鰻を食べた。
ぼくは、長いこと墨田区の業平橋に住んでいた。鰻を食べによく浅草に出かけた。
仁丹塔の近くの「やっ古」や雷門2丁目の「初小川」にはよく通った。
昔は今ほど鰻は高価な食べ物ではなかった。
先日と言っても昨年だが、友人と隅田川沿いの前川に行った。前川は鰻屋として老舗中の老舗で200年以上の歴史を持つ。隅田川の景色を眺めながらの鰻は最高だったが、目の玉が飛び出るくらい高かった。
子供が小さい時は、時々鰻を出前でとった。当時は、カツ丼とそれほど値段は変わらなかった。鰻禅という店で今は人気店になっているようだ。
その鰻の本家本元が深川であるとタウン誌深川で初めて知った。深川名物と言えばアサリを使った「深川飯」だが、江戸時代には鰻も深川名物で「江戸前大蒲焼」と言ったそうだ。
タウン誌深川は、江東区を深掘りし、歴史と現代の姿を余すところなく伝えるミニコミ誌である。毎号の特集の視点の多様さに舌を巻く。
巻頭の連載は「まちは人なり」は、タウン誌深川の根本思想だろう。今回は「ヒトと自然をもっと身近に」を合言葉にするココペリプラス代表の寺田浩之さんが登場している。第43回とある。思い出したのだが、ぼくもこの欄に取り上げられたことがある。第2回だっただろうか。今考えてみれば、実に光栄なことだったのだ。
タウン誌深川は、現在の多彩な情報も満載であるが、連載が素晴らしい。
写真家の大西みつぐさんの「深川・日々の叙景」。写真の力に引き込まれる。
若手俳人の雄、西村麒麟さんの「麒麟の江東滞在記」もある。今回は清澄庭園を取り上げている。
一周し二周し庭の池涼し 麒麟
高野ひろしさんによる「街かどモノがたり」も愉快だ。こちらも44回、長期連載である。
極め付けは、久染健夫さんによる「こうとう江戸絵図History」だろう。今号では、「深川八まん 牡丹」が取り上げられているが、この連載を読めば、江戸の深川の歴史を我が物にすることができるだろう。
ぜひ、手に入れて読んで欲しいタウン誌である。
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