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炎天にご利益を呼ぶ傘の列

小山正見

実にカラフルな和傘である。最近は「白日傘」ばかりだが、こんな和傘が街に広がったら楽しくなるのではあるまいか。
ここは、会津美里町の中田観音である。
会津ワイナリーの企画した「俳句フォトとワインの夕べ」の第一ラウンドである。
中田観音は、今回の宿舎である「新鶴温泉んだ」の近くにある。この観音様は、野口英世の母シカが毎月猪苗代から毎月夜通し歩いて参詣する「月詣り」を欠かさなかったということで有名でもある。
境内には「抱きつき柱」がある。
ぼくも抱きついてみたのだか、「抱きつく」という行為には、なんとも言えぬ安心感が伴う。考えてみれば、子どもも抱きつく相手が誰も居なくなるのは思春期で、精神的に不安定になるのは当然なのかもしれない。
この観音様のご利益には、長寿もあるが「ころり往生」もあるそうだ。ピンピンコロリは今に始まったものではないらしい。
次に向かったのは法用寺である。この寺に住職は常駐していないが、重要文化財が幾つもある由緒あるお寺だ。
門にはしめ縄が飾られ、神仏混淆の歴史を留めている。
この会に参加された美里町教育委員会のA先生が

夏木立時空を超える法用寺

と詠んだ。正にその趣がある。
美里町のあやめ祭りにも立ち寄った。
次の出演に備えて演歌歌手が普段着のままステージでリハーサルを行っていた。これまた休憩時間の猿回しの猿が鯉に餌を与えていた。
昨年を遥かに凌ぐ見事なあやめに目を見張った。土を入れ替え、完璧を期したらしい。昨年お世話になった観光協会のBさんと旧交を温めた。
新たに3000の風鈴が飾られ、美しい音を奏でていた。

三千の風鈴鳴らす風の道  正見

沢山の句が生まれ、会津の自然と歴史に触れた俳句フォトの会であった。