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炎熱やガラスに溶けるブレーメン

小山正見

何とも奇妙な写真である。ガラスの向こう側にブレーメン通りが映り込んでいる。
先日、俳句フォトの第一回例会で、講師の写真家加賀美光一さんから、写真は光を捉えることだと教わり、ガラスの反射が面白いと言うお話をいただいた。
場所は元住吉の駅前の果実店である。この店はぼくの子供の時から既に存在する。斜め前には高林果実店があり、昔から競っていた印象がある。
店頭が可愛らしくデコレーションしてあるので、つい撮ってみる気になったのだ。その結果が思いもかけずの反射効果で、おとぎの国ののようになった。
かつてUFOの写真が出回ってことを覚えているだろうか。本物か偽物かを巡って大論争になった。子供向けの雑誌には繰り返し取り上げられた。
今なら、幼稚な合成写真は簡単に見破ることができるだろう。
それでも繰り返し現れたのは宇宙人は実在してほしい」という願望があったからだろう。
昔、超能力者として有名な姉妹がいた。
しばらくしてその姉妹は、自分達は「超能力者ではない。嘘をついていた。」と告白した。しかし、この告白を喜ぶ者はおらず、仕方なく、姉妹はまた超能力者としての活動を再開したと言う。
今は、フェイクをつくる能力はUFO時代とは比較にならない。
現に今回の参議院選挙でもフェイクニュースが飛び交っている。
外国人をターゲットにした攻撃など呆れるほどだ。
しかし、問題はたとえフェイクであってもそうした情報を欲しがる多くの人々がいることだ。
関東大震災後の朝鮮人虐殺などあり得ないと思っていたが、容易に起きる可能性を感じ恐ろしくなった。敵を定めて徹底的に攻撃する。それに民衆が熱狂する。教室の中のいじめ現象と同じ構図だ。日本社会全体がいじめ社会になりつつあると危惧する。こうなると、明日の標的はぼくなのかもしれないし、あなたなのかもしれない。
笹川良一の「世界は一つ、人類みな兄弟」の精神は何処にいったのだろうか。こんな社会に生きることになるとは思わなかった。