【初心者歓迎】俳句フォトの会 会員申込はこちら

爽やかやナンバー①の座席券

小山正見

先日、誘われて歌舞伎を観に行った。歌舞伎座の八月納涼歌舞伎である。
演目は牡丹灯籠の第二場「野州栗橋の宿はずれより 幸手堤まで」 という長い題名がついている。
久しぶりの歌舞伎で面白かったので、第一場も観たいと思った。
金曜日、朝目を覚ましたら体が軽い。
「だったら」
一幕見のほとんどは、前日ネットで申し込むようになっているが、若干の当日券もあるはずだ。並べれば買えるだろう。
9時半。一幕見の入口には誰も並んでいなかった。案内の人が親切に「どこの場を観たいのか?」とか「現金だけですよ」とか説明してくれる。
30分そこで待ち、券を手に入れた。
券を見たらナンバー①だった。
その時、以前にも「ナンバー①」の券をもらった記憶が蘇った。
40年以上前の神保町の三省堂だった。
向山洋一講演会だ。その時の予約整理券の番号が1だったのだ。
向山洋一はその後、教育法則化運動の旗手として名前を轟かすことになるが、この時は、その運動の最初の狼煙となった一冊の本『跳び箱は誰でも跳ばせられる』を発行した直後だった。
本屋で向山という名前を聞いた時、どこかで聞いた名前だと思った。
高校時代に遡る。東京学芸大学に見学に行った時に紹介されたのが彼だったことを思い出した。名前を覚えていたのは、おそらく当時からカリスマ性があったからだろう。
ぼくは、その後向山の著作から深く影響を受けることになったが、結局法則化運動に参画することはなかった。
ナンバー①の座席券は当日券用の席から好きな場所を選ぶことができた。ぼくは迷わず前の席を選んだ。が、どうやら後ろの席の方が見やすかったようだ。
何をどう選んだら良かったのか。なかなか難しい問題である。