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紫陽花の断首の時の近づけり

小山正見

まだまだ梅雨は続いているのに、紫陽花が枯れ始めている。これも地球温暖化、酷暑の影響である。紫陽花は、気温が一定以上になると枯れるらしい。
先週一週間の暑さのせいに違いない。すっかり生気が失くなってきた。
紫陽花は水を好む花だ。鉢植えの紫陽花に二日間水をあげなかったら、すっかり萎れてしまった。慌ててたっぶりの水で植木鉢を満たしら、次の日には復活したので、胸を撫でおろしたが、油断禁物だ。
植物に詳しいAさんに
「そろそろ花を切った方がいいわね。そうしたら来年も大きく咲くから」
と言われた。どこを切れば良いかの図まで丁寧に書いて教えてくださった。
首を切るのは忍びないが「泣いて馬謖を切る」しかない。
花の「滅び方」には色々ある。桜は見事に散る。花吹雪のように花が散った後、残った桜蕊まで「降る」。
山茶花も散る部類だ。椿は、花ごと落ちる。
梔子は花が木についたまま茶色に色が変わり始める。
紫陽花が落ちないのは、実は花に見える部分が花びらではなく「萼(がく)」だからだ。この萼は繊維質が強く、丈夫なのだ。通りで落ちないわけだ。
中心部に目立たないようにある「本当の花」は開花後の早い時期に落ちてしまうらしい。
美しく雨に映える紫陽花も好きだが、鈍色に錆びた紫陽花も嫌いではない。
しかし、意を決して今年は「断首作戦」を実行しようと思う。
来年の見事な紫陽花を夢見ながら・・・・・