俳句フォトエッセイ2025.11.22蒼天に渦を巻きたる秋の雲小山正見妻がお世話になっているグループホームの前である。既に4年が過ぎた。ぼくはこの土地を200回以上見続けてきたことになる。最初は畑でかなりの部分で作物が作られていた。昨年はキャベツが二畝植えられていたが、収穫されずに菜花の茎が伸び放題になっていた。その土地を半分売ったらしい。白い膜が張られ、工事が始まったようだ。住宅かマンションだ建つ気配が強い。大きなクレーンが入っているのを見ればマンションの公算の方が高いだろう。それにしても久しぶりの秋らしい空だ。湿度が下がったということだ。空の奥まで見通せるかのようだ。空に見える雲は、おそらく巻雲だろう。巻雲は5000mから10000mに出来る雲というから確かに高い。動かないように見えるが、上空は相当な風が吹き荒んでいるに違いない。秋の雲の代表格はなんと言っても「鰯雲」である。鯖雲とも鱗雲とも言われる。空一面がこの雲に覆われると、何となく不気味な感じがするものだ。「鰯雲」で最も有名な句は加藤楸邨の鰯雲人に告ぐべきことならずであろうが、ぼくは山口誓子の一生に幾たびか全面鰯雲の句に惹かれる。今年は既に冬の寒さだが、明日7日は暦の上でももう立冬である。
妻がお世話になっているグループホームの前である。既に4年が過ぎた。ぼくはこの土地を200回以上見続けてきたことになる。
最初は畑でかなりの部分で作物が作られていた。昨年はキャベツが二畝植えられていたが、収穫されずに菜花の茎が伸び放題になっていた。
その土地を半分売ったらしい。白い膜が張られ、工事が始まったようだ。住宅かマンションだ建つ気配が強い。大きなクレーンが入っているのを見ればマンションの公算の方が高いだろう。
それにしても久しぶりの秋らしい空だ。湿度が下がったということだ。空の奥まで見通せるかのようだ。
空に見える雲は、おそらく巻雲だろう。巻雲は5000mから10000mに出来る雲というから確かに高い。動かないように見えるが、上空は相当な風が吹き荒んでいるに違いない。
秋の雲の代表格はなんと言っても「鰯雲」である。鯖雲とも鱗雲とも言われる。
空一面がこの雲に覆われると、何となく不気味な感じがするものだ。
「鰯雲」で最も有名な句は加藤楸邨の
鰯雲人に告ぐべきことならず
であろうが、ぼくは山口誓子の
一生に幾たびか全面鰯雲
の句に惹かれる。
今年は既に冬の寒さだが、明日7日は暦の上でももう立冬である。