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銭湯に浸り極楽石蕗の花

小山正見

大田区の某小学校で一年生の俳句の授業をした。その帰り道、ふと近くに銭湯がある事を思い出した。
マンションの一階にある銭湯で、草津湯という。銭湯というと、お城のような門構えで高い煙突があるイメージがあるが、最近は煙突がない銭湯も多い。燃料が重油から都市ガスに換わったからだろう。
それにしても気持ちがいい。湯船にしっかりと浸かると体の芯からほぐされる。
つい、この前までは、スーパー銭湯にハマっていたが、普通の銭湯でも十分である。
この草津湯もジェット風呂や電気風呂、サウナも備えている。ぼくは少し低温の鉱泉掛け流しに入った。
大量のお湯をジャバジャバと惜しげもなく使い、取っ替え引っ替え、いろんな湯に入る。それでいて、入浴料は500円。タオルなどを借りても650円である。その上、ここは休憩室まで完備されている。
子供の頃は家に風呂がなかったから近くの銭湯に通った。
覚えているのは、法政大学のラグビー部の学生が泥だらけになった体を洗っているシーンだ。いくつもあった銭湯は次々と廃業し、今残っているのは今井湯のみである。ここには、スーパー銭湯で人気の炭酸泉もあるし、ミルク風呂という得体の知れない風呂もある。
八名川小学校の学区域には、常盤湯があった。退職してから、この風呂にはよく行った。入れないほどの熱い湯と番台にいた90歳過ぎのおじいちゃんが名物だった。
そのおじいちゃんが亡くなり、代替わりした常盤湯はリニュアルして、今は人気の銭湯だと聞く。
ゆったりと湯に浸かり、芯から温まり、リフレッシュできた90分であった。